虎の巣head

クローディア去就論

(2024年1月11日「1.ロマ1における「魔法」 -クローディアには魔法の才能が無いのか?-」を発表)
(2024年1月28日 第1章に「(5)術法体系のルーツ」を追加)
(2024年1月28日「2.邪神討伐後日談 -皇女は世界を2度救う-」を発表)

 はじめに(執筆動機)
 1.ロマ1における「魔法」 -クローディアには魔法の才能が無いのか?-
  (1)「魔法」についての疑問
  (2)「魔法」の一般的な意味
  (3)ロマ1で用いられている「魔法」関連の言葉
  (4)ロマ1における「魔法」関連の言葉の意味についての整理
   (i)「術法」と「魔法」の意味の区別
    (a)ロマ1における魔法いろいろ
    (b)ロマ1論において推察した魔法いろいろ
   (ii)「魔術士」と「魔術」
   (iii)「魔女」
    (a)「魔女」と呼ばれる由縁
    (b)魔女の魔法いろいろ
   (iv)「魔道士」
   (v)その他
  (5)術法体系のルーツ
   (i)古代神時代の術法事情
   (ii)現在の術法体系のルーツ
 2.邪神討伐後日談 -皇女は世界を2度救う-
  (0)本章の前書き
  (1)邪神討伐後に平安の世は訪れるのか?
   (i)邪神討伐後のモンスター事情
   (ii)邪神討伐後の野心家たちの事情
  (2)イスマスをめぐる野心家たちの思惑
   (i)イスマス陥落の際の両者の思惑
    (a)コルネリオ&マチルダ
    (b)ナイトハルト
   (ii)邪神討伐後の両者の思惑
    (a)コルネリオ&マチルダ
    (b)ナイトハルト
     (b1)邪神討伐後の情報の周知状況
     (b2)ナイトハルトの状況把握の変遷
     (b3)ナイトハルトが侵攻したい理由
  (3)クローディアの決断
   (i)森の掟
   (ii)彼女が森に帰ったら
  (4)皇女クローディアの和平外交
   (i)皇女の帰還
   (ii)皇女の名声、その1
   (iii)皇女の名声、その2
   (iv)皇女の名声、その3
   (v)クローディアだからこそ掴みとれた平和な未来
はじめに(執筆動機)
 2024年4月、縞庵さんの「クローディアの去就の話」(2016.4.22版)を読んで感銘を受けた。
 
 内容は「サルーイン討伐後にクローディアはどうするのか?」ということについての考察なのであるが、縞庵さんは物語考察をする基本姿勢が私とよく似ていたので、その考察内容が私の興味・関心にグサグサと心地よくダイレクトアタックしてきたのである。
 その結果、私も同じテーマで考察をしてみたくなった・・・という次第である。

 本稿を執筆する意図は決して縞庵さんの考察を否定したいということではなく、あくまで「いろいろな可能性を模索したい!」ということである。
 つまり、同じテーマで私が考えてみたら縞庵さんと違ったどんな物語が描かれるのか?・・・そこが気になるわけである。
 読者の皆さんにも「いろいろな可能性」を楽しんでいただけたらと思います。
1.ロマ1における「魔法」 -クローディアには魔法の才能が無いのか?-
 #本章は2024年4月にBBSに書き込んだ内容を再編したものである。

(1)「魔法」についての疑問
 縞庵さんは「クローディアの去就の話」の「2 クローディア魔女になるの巻」において以下のように述べていた。
 「クローディアは方々で「魔法の才能がない」と言われています。」
 「ところで、魔法って何の事でしょうね?」
 「ここでは「魔法=術法」の前提で考察を展開します。」
 「設定上は魔女になれないらしいクローディアですが、これらの要素を鑑みると、魔女たりえる素質は備わっているように思えます。」
 #ただし、上記の記述は2024.4.14に縞庵さんが内容を修正する以前のもの(2016.4.22版)である。

 上記のように縞庵さんは魔法と術法を同じものとして考察を進めていらっしゃった。
 魔法と術法・・・ドラクエならば「呪文」でFFならば「魔法」、そしてそれに相当するのがロマ1では「術法」・・・即ち、ロマ1発売当時も「ロマ1では魔法のことを術法って言うんだ!(新鮮だな!)」というような認識だったので、魔法と術法を同じようなものとして捉えるのは決して間違ってはいないと思う。
 けれど、ロマ1では「術法」という言葉が用いられていながらも、「クローディアには魔法の才能が無い」というように「魔法」という言葉も使われているのならば、それらの言葉の使い分けはどうなっているのか?言葉の意味の違いは何か?について考えてみるのも面白いと思う。
 ということで、本章ではロマ1における魔法とは何かについて考えることを通して、「クローディアには魔法の才能が無い」の真相に迫りたい。

(2)「魔法」の一般的な意味
 ネットで検索してみると、「魔法」、「魔術」、「魔法使い」、「魔術士」といった「魔法」に関わる言葉の使われ方・意味は作品等によって様々であった。
 故に、ロマ1で用いられている「魔法」の意味については、ロマ1における意味として考えるのが妥当であると考えた。

 参考:wikipedia「魔術」wikipwdia「魔法使い」
    久里卍夕「『魔法・魔術論』 魔法と魔術の違い、及び、魔法使いと魔術師の違い。他、魔術系統論など。

(3)ロマ1で用いられている「魔法」関連の言葉
 ロマ1には術法、魔法に関わる言葉がいくつか登場する。
 そこで、それらの言葉の意味を区別するために、ロマ1のゲーム内で登場する「魔法」関連の言葉を台詞等から抜粋し、分類してみた。
 #台詞についてはOvertureを参照・引用。

 (i)術法(術)
 ・ミリアム「あたいは ミリアム 術法をつかわせたら ちょっとしたもんよ どう なかまにしてみない?」
  →「がつかえるのが ほしかったんだ」
 ・ミリアム「そうだね あたいも ひさしぶりに エスタミルに かえろうかな あたらしい もおぼえたいし
  火の術法だけじゃ このさき きびしいもんね グレイ あんたはどうする?」
 ・店員「ここは 魔の術法を おしえます」
 ・フラーマ「ようこそ バイゼルハイムへ 私は フラーマ なんのごようかしら?」
  →「を おぼえにきた」
  フラーマ「ここは 火の術法を おしえます」

 (ii)魔法
 ・フラーマ「私が 魔法でしらべたところでは コンスタンツが つれさられたばしょは ここからさらに 南の どうくつです」
 ・フレイムタイラント「おれは 凍気をはっするぶきや魔法がにがてだ」
 ・ルドルフの日記「火竜月 3日 どうくつを たんさく ふかしぎな もんようを はっけん 魔法に かかわるものか?」
 ・セルフバーニングの説明「この術法は 体を魔法の火で つつみます」
 ・サブキャラの「あかまほうつかい
 ・未使用モンスターの「まほうつかい」、「まほうつかい2」

 (iii)魔術士
 ・魔術士(両親の職業)
 ・グレイのOP「エスタミル生まれの魔術士 ミリアム」
 ・騎士「あの 女魔術士め! よくも ながいあいだ 騎士団を たばかって くれたな! ゆるしては おかんぞ!!」
 ・未使用サブキャラの「おとこまじゅつし」、「おんなまじゅつし

 (iv)魔女
 ・クローディアのOP「このおいた魔女のなは オウル 森の魔女として しられている
  ひとびとは この魔女が 森を まもっているのだと おもっている」
 ・男「なんでも 迷いの森の魔女に そだてられた 娘が いるそうじゃないか」
 ・侍女「森の魔女よ 森の魔女よ!! 私のところへ きておくれ」

 (v)魔道士
 ・ソフィア「・・・・イナーシーに 魔の島とよばれる島があり そこにすむ邪悪な魔道士
  デステニィストーンの一つを もっているという うわさです」

 (vi)その他
 ・術法具「メイジスタッフ(Mage's Staff)」
 ・道具「の素(Potion of Magic)」
 ・道具「マジカルシェルター(Magical Shelter)」
 ・術法「マジックヒール(Magic Heal)」

(4)ロマ1における「魔法」関連の言葉の意味についての整理
 (3)の分類を手がかりとして、ロマ1における言葉の意味について推察してみる。

(i)「術法」と「魔法」の意味の区別
 (3)においてまず注目したいのは(i)(ii)におけるフラーマの発言である。
 つまり、以下の二つの台詞である。
 ・フラーマ「ようこそ バイゼルハイムへ 私は フラーマ なんのごようかしら?」
  →「を おぼえにきた」
  フラーマ「ここは 火の術法を おしえます」
 ・フラーマ「私が 魔法でしらべたところでは コンスタンツが つれさられたばしょは ここからさらに 南の どうくつです」
 

 上記のように彼女は「術法(術)」と「魔法」を使い分けているのである。
 ロマ1において「術法」とは、一般にはお金を払えば誰でも習得することができ、鍛錬によってその効力を強化することができるものである。
 一方で、フラーマの台詞における「魔法」とは「コンスタンツの居場所を探索する能力(千里眼的な能力?)」のようなものであり、それに類似する術法は存在しない。
 このことから察すると、ロマ1における「術法」は誰でも習得して使用できる技術であるのに対して、「魔法」は術法のように誰でも習得・使用できるものではない、特定の人物等だけが使用することのできる特殊能力だと思われる。

 故に、ここまでの推察としては、
 「術法(術)」とは「知識・技能を伝達することで誰でも使用可能になる技術」であり、
 「魔法」とは「一部の者のみが使用可能な特殊能力」だと思われる。

 では、さらに推察を進めて、魔法は術法とは違って資質が無いと使用できないものなのだろうか?
 おそらくではあるが、必ずしもそうだと断定することはできないだろう。
 と言うのは、邪術に「デスハンド」という術法があるが、この術法は明らかにもともとは邪神デス固有の特殊能力だったはずである。
 それにもかかわらず、現在は邪術「デスハンド」として邪術の一つとして位置づけられているのは、おそらくその仕組み・原理が解明されたため、知識・技能を伝達することで誰でも使用可能になっているからだと思われる。
 #闇術・邪術は人間には習得できないという設定になっているが、(人体への影響を考慮しなければ)然るべき伝達者から習得することは可能であろう。
 

 即ち、魔法とは現在はその仕組み・原理が解明されていないために特定の人物等しか使用することができないが、いずれその仕組み・原理が解明されて技術として確立されば、術法として誰でも使用可能になるかもしれないのである。
 #無論、術法化させることは不可能で、魔法であり続けるものもあるだろう。
 故に、魔法には資質が無いと使えないもの(術法化できないもの)もあるだろうし、いずれ術法化されて誰でも使用可能になるものもあると思われる。

 このように解釈すると、クローディアについての「魔法を使う才能はなく」(基礎知識編)や「全く魔法は使えない」(大事典)という記述は「迷いの森の魔女オウルの使用するような魔法(特殊能力)をクローディアは現在は全く使うことができない」という程度の意味であり、「クローディアには魔法の才能が無い」と言われていることと「ゲーム内でクローディアも術法を使用できる」ことに齟齬が生じないことになる。

 以上の推察により、本稿では、
 「術法(術)」とは「仕組みが解明されていて、知識・技能を伝達することで誰でも使用可能になる技術」であり、
 「魔法」とは「仕組み・原理が解明されておらず、現在は一部の者のみが使用可能な特殊能力」であると結論づける。

(a)ロマ1における魔法いろいろ
 ・フレイムタイラント「おれは 凍気をはっするぶきや魔法がにがてだ」
 Fタイラントは「魔法」という言葉を使っているが、「術法」と「魔法」の意味を区別して使っているのかは分からない。
 もしかしたら、Fタイラントが生まれた邪神封印戦争の頃には「術法」という言葉は存在せず、術法系・魔法系の能力全般に対して「魔法」という言葉が用いられていた名残なのかもしれない。
 

 ・ルドルフの日記「火竜月 3日 どうくつを たんさく ふかしぎな もんようを はっけん 魔法に かかわるものか?」
 紋様を描いて使用する既知の術法は存在しないが、術法が関わっていそうな雰囲気のある未知のものに対してルドルフは「魔法」という言葉を使った。
 実際に、後日の日記で「飛竜月 7日 さいど どうくつたんさく なぞのもんようは でんせつのサルーインの シンボルに よくにている サルーインは そんざいするのか?」と推察されている通りで、その紋様は(おそらくサルーインのミニオンが作った)離れた二つの地点を瞬間移動することのできる転送ゲートであり、それに該当する術法は存在しないので「魔法」と言ってよいだろう。
 

 ・セルフバーニングの説明「この術法は 体を魔法の火で つつみます」
 セルフバーニングの炎は「魔法の火」・・・普通の火とは何が違うのか?
 まず防御面として攻撃属性耐性について見てみると、火のエレメンタルが火属性耐性を持つものの水、風、冷属性が弱点であるのに対して、セルフバーニングは火、冷属性耐性を持ち、弱点属性が無いというように、明らかにセルフバーニングの方が耐性に優れている。
名称
火術「エレメンタル」 × - × × - - - - - - - -
火術「セルフバーニング」 - - - - - - - - - - - - - -

 また攻撃面では、ヘルファイア、ファイアボール、ファイアウォール、火の鳥、焼き尽くすといった火の術法は火属性攻撃のため火属性耐性を持つ者に対して無効であるのに対して、セルフバーニングによる反撃はどんな属性耐性にも影響されることなくダメージを与えることができる。
 
 このように、セルフバーニングの炎は明らかに他の火の術法の炎とはその性質が異なっている。
 無属性の炎なのか、フレアのような核熱的なまだ確立されていない属性の炎なのか、それは分からないが、未知の炎であることは間違いないので「魔法の火」と説明されるのも納得である。

 ・サブキャラの「あかまほうつかい
 ゲーム内で赤魔法使いが魔法を使っている描写は無いので、赤魔法使いが魔法を使えるのかは不明である。
 しかしながら、ミニオン論1において、赤魔法使いとは「よく知られた術法で言えばエレメンタルのようなもの、つまりミニオン専用の身代わり術法で呼び出された存在である」と推察したように、赤魔法使いという存在自体は魔法の産物なので、赤魔法使いの本体であるミニオンは間違いなく赤い衣を纏った魔法使いである。
 

 ・未使用モンスターの「まほうつかい」、「まほうつかい2」
 没モンスターの「魔法使い」2種・・・以下のように能力的には「魔法使い」は術法使いで、「魔法使い2」はただの虚弱の人である。
■A5:魔法使い
HP
126/126 9 9 9 9 9 9 9 0 9 4 - - -
- - - - - - - - - - - - - - - -
装備:なし
火:10/10/3(ファイアウエポン)
風:10/10/3(コールドウエポン)
闇:10/10/3(ダークネス)
邪:10/10/3(インジャリー、ポイズンガス)
魔:10/0/3(スロウ、エナジーボルト)

■EA:魔法使い2
HP
1/1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 - - -
- - - - - - - - - - - - - - - -
装備:なし
術法:なし

 この2種はゲーム内のイベントで登場していないので本当に魔法が使えるのかどうかは分からないが、ゲーム内において魔法を使える者はごく一部しかいない状況からすると、彼女らが魔法を使えるのかは疑わしいように思う。
 おそらく「魔法使い」は術法を上手い具合に使って超常現象を起こしているように見せかけることで、「魔法」を使っていると騙っていたのではないだろうか。

(b)ロマ1論において推察した魔法いろいろ
 これまでに発表したロマ1論において特殊な術法についても言及してきた。
 例えば、先述したミニオンが使用する「赤魔法使い」召喚もその一つである。
 それらは術法化されて各系統に位置づけられるまでには至っておらず、特定の人物しか使用できないので「魔法」と言えるだろう。

 そのようなロマ1論で推察した魔法を以下に挙げる。
 ・ミニオンの「赤魔法使い召喚」:本体とは異なる固定ステータスの身代わりを呼び出す。(ミニオン論1)
 ・ミニオンの「幻影召喚」:自分と全く同じ能力の分身を創る。幻体戦士術とは性質が異なる。(ミニオン論1)
 ・マックスの邪術「ウイークネス改」:対象に繋がりのあるものを依り代にして遠隔で弱体化させる。(ミニオン論3)
 ・ハルーンの気術「ライトニング(活殺開孔波)」:相手パーティー全体の現在HPを1にする。(ミニオン論4)
 ・「冥府を説く」の"闇"術「アニメート」:邪術は気絶した者を操るが、闇術は死者を操る。(ミニオン論4)
 ・デスの邪術「ソウルスティール」:対象の命を奪う。(シルバー論)
 ・デスの邪術「ライフドレインの亜種」:対象の最大HPを50減少させる。(シルバー論)
 ・デスの邪術「アニメートの亜種」:死者に再度魂を入れて生き返らせる。(シルバー論)

(ii)「魔術士」と「魔術」
 両親の職業と未使用サブキャラの名称として魔術士(男魔術士、女魔術士)が存在するが、これらは一部の者に限られた「魔法使い」ではなく「術法使い」と考えるのが妥当であろう。
 従って、「魔術」は「術法」と同義ということになる。
 

 ただし、ゲーム内では「火術」や「水術」といった表現は使われていないが、それらが「火の術法」や「水の術法」のように属性系統を踏まえた使われ方もするならば、「魔術」は術法全般を意味するだけでなく、「魔の術法」という狭い意味でも使われうることになる。
 その場合は「魔術」に二つの意味が存在することになるので文脈で判断する必要がある。
 なお、「幻の術法」については、火幻術、破幻術、雷幻術、竜幻術というように術法の名称に「幻術」という言葉が使われているが、これは「幻(系統)の術法」の略としてではなく、「幻を使う術」という言葉そのままの意味として使われていると思われる。

 このように「魔術師」という言葉の意味を解釈すると、バイゼルハイムの塔を取り囲んだ騎士たちの「女魔術士」発言は、フラーマの「火の術法使い」という一面しか表現できておらず、「魔法使い」という彼女の特異性を表現てきていないことになる。
 

(iii)「魔女」
(a)「魔女」と呼ばれる由縁
 ・クローディアのOP「このおいた魔女のなは オウル 森の魔女として しられている
  ひとびとは この魔女が 森を まもっているのだと おもっている」
 ・男「なんでも 迷いの森の魔女に そだてられた 娘が いるそうじゃないか」
 ・侍女「森の魔女よ 森の魔女よ!! 私のところへ きておくれ」
 

 大事典には「迷いの森の中心部に小屋を作って住んでいる魔女、オウル。迷いの森は、不用意に侵入した者を外へ追い返してしまうと言われているが、この現象は磁場の影響で侵入者の平衡感覚が乱されている訳ではなく、彼女が意図的に操作しているのだ。それが魔女と呼ばれる由縁だが、実際のオウルは魔女などではなく、シリルを崇拝する集団の大司教なのである。」と記載されている。
 また、大事典には「シリル教は寺院等を持たない」とも記載されているので、一般にはシリル教団の大司教の存在など知られていないと思われる。
 このような事実からすると、一般人にとって迷いの森に住むオウルは不可思議な術(魔法)を使う得体の知れない存在であるから、畏怖の念を込めて「魔女」と呼んでいるのであろう。

(b)魔女の魔法いろいろ
 上述のように大事典には「オウルは魔女などではなく」と述べられているのであるが、迷いの森で迷わされるのがオウルの操作によるものだというならば、それは明らかに「魔法」と言えるだろう。
 よって、大事典での「魔女ではない」という記述の趣旨は「(一般的に想像される)邪悪な魔女ではない」という意味だと思われるが、魔法が使えるという意味ではやはりオウルは「魔女」ということになる。

 では、迷いの森の撹乱魔法の他に魔女オウルはどんな魔法を使うことができるのか?
 ゲーム内で使用したと思われる魔法は以下の通りである。
 ・テレパシーでクローディアを呼ぶ。(「オウルとの死別」導入)
 ・見聞色の覇気で遠く離れた助けを呼ぶ声を聞き取る。(「オウルとの死別」回想)
 ・メルビル城に窓から侵入・脱出する際の舞空術。(「オウルとの死別」回想)
 

 なお、オウルの死後も迷いの森の撹乱効果は続くが、これはおそらくオウルの魔法がシリルの力を利用したものであるため(大事典には、迷いの森は「森の神シリルに守られているとも言われ~」という記述もある)、シリルの力によって持続しているのだと思われる。
 また、クローディアが迷いの森の撹乱効果を無効にできるのは、クローディアがシリルの加護を受けているからであろう。

(iv)「魔道士」
 ・ソフィア「・・・・イナーシーに 魔の島とよばれる島があり そこにすむ邪悪な魔道士が~」
 この言葉を用いているのはエロール教団司教のソフィアのみ。
 ロマ1論「ウェイ=クビン論」及び「アイスソード論3」で述べたように、若き日の友人であるウェイ=クビンが外法の道・・・即ち「魔道」に進んでしまったことを悲しんで、「魔道に進んだ者」の意味で「魔道士」と称したのであろう。
 

(v)その他
 ・道具「の素(Potion of Magic)」と術法「マジックヒール(Magic Heal)」
 いずれも「魔の術法」に関わるものであるから、これらの名称における「魔」や「マジック」は「魔の術法」のことを意味する。

 ・道具「マジカルシェルター(Magical Shelter)」
 大事典によるとマジカルシェルターはエロールの加護によるアイテムである。
 効果はパーティー全体のHP及び法力の完全回復であり、その効果は術法では代替できないのでマジカルは「魔法」を意味する。

 ・術法具「メイジスタッフ(Mage's Staff)」
 大事典によるとメイジスタッフは古代神時代のもので、4つの強力な術法が焼き付けられた術法具である。
 使用可能な4つの術法と、その術法の系統の対応は以下の通りである。
  -スペルエンハンス・・・魔術。
  -ウエポンブレス・・・魔術。
  -幻影魅力術・・・幻術。
  -ファイナルストライク・・・該当する術法系統無し。
 

 上記のように、Fストライクには対応する属性系統が無いのであるが、このことから察すると古代神時代は術法系統の区別が無かったのかもしれない。
 Fストライクは大事典によると「プラズマを放ち、地上の磁力帯に干渉させて疑似オーロラを起こす最強術法」とのことであるが、古代神時代は魔術、幻術の区別が無く、その両方の系統を併せ持った術法としてFストライクは存在したのかもしれない。
 おそらく、現在の 術法系統の区別の発端はエロールの運命石作りで、それ以降は魔術、幻術の区別がなされてしまったために、現在では術法としてのFストライクを誰も使用できなくなってしまったわけである。
 ロストテクノロジー化してしまった術法という意味でFストライクは現在の「魔法」と言えるだろう。

(5)術法体系のルーツ
 #eicoさんからいただいた本章についての感想「邪術デスハンドを最初に定義したのがデス自身だったらおもしろいな~」というコメントへの回答として、現在の術法体系のルーツについて推察した内容を以下に記す。

(i)古代神時代の術法事情
 (4)においてFタイラントが「魔法」という言葉を使っていることについて「Fタイラントが生まれた邪神封印戦争の頃には「術法」という言葉は存在せず、術法系・魔法系の能力全般に対して「魔法」という言葉が用いられていた名残なのかもしれない。」と述べたことにも関わるが、おそらく古代神時代には一部の者が使用できる「魔法」は存在したが、誰でも使用可能な現在のような術法は存在しなかったと思われる。
 
 その根拠となるのが古代神時代の道具であるメイジスタッフである。(大事典)
 つまり、古代神時代に術法文化があって誰でも術法を使用可能だったならば、わざわざ術法(魔法)を込めた道具を作成する必要は無かったはずだからである。
 術法(魔法)を誰でも使えるわけではなかったから、それを誰でも使えるようにするためにメイジスタッフのような道具が開発されたのであろう。

(ii)現在の術法体系のルーツ
 大全集には「巨人族は過去の大戦の際、エロールら善なる神々に協力した種族である。古より進んだ技術を持っていた彼らは、非常に強力な武器を武器を創り出すことができる。また、長命種である彼らは多くの術を会得している。」という記述がある。
 この記述を踏まえて、時系列順に以下のような展開で術法体系が研究・開発されて、現在に至っているのだと推察する。

 ■古代神戦争
 古代神戦争は神々だけの争いであり、神々が勝手に暴れて世界は壊滅した。
 巨人族を含む旧人類は戦争に参加したわけでなく、ただただ神々の争いに巻き込まれて甚大な被害を受けた。

 ■新しい神々による世界復興
 エロールら新しい神々が現生人類を創り、世界の復興に取り組む。
 おそらくこの復興活動に巨人族は協力していて、巨人族は現生人類に基礎的な文化(言葉や衣食住)を教えている。

 ■邪神封印戦争
 3邪神が活動を開始し、長く続く邪神封印戦争が始まる。
 OPでは「邪神らが神と人間に戦いを挑んだ」と語られてはいるが、実際にはあくまで神々の戦いであり(新しい神々VS邪神一派)、人間が3邪神に対して何かできるわけではなかった。(人間にできることは自衛としてモンスターに抵抗することだけだった。)
 そんな争いの中、エロールが邪神を封印するために10個の運命石を創り出した。
 それにより現在の10種の属性系統の概念が誕生したのである。
 

 巨人族の魔法を使える者たちはエロールが生み出した10種の属性系統のもとで自分たちの用いる魔法について研究することで、それを伝達可能で誰でも使用可能な「術法」として確立したのである。
 #この時点では各系統7種の術法が開発されていた。中にはFストライクのような10種の属性系統には収まらず、術法化できない魔法もあった。
 そして、巨人族は邪神一派に対抗・防衛する手段として現生人類にも術法の技術を教えたのである。

 ■邪神封印戦争終結
 ミルザが邪神を封印して、邪神封印戦争が終結した。
 時を同じくして、巨人族は新しい神々、現生人類と決別する。
 この決別故に、巨人族の長サラキーンが「この世界は神々の戦いの末に一度は死んだ・・・。我々はなんとか生きのびたが、苦しい日々の連続だった・・・。もう神々の勝手な戦いに関わり合いにはなりたくないのだ。」(ゲーム内の台詞)と言い、巨人らが「小人には物は売らんぞ!」(ゲーム内の台詞)と言うわけである。
 では、どうしてエロールらに友好的だった巨人族が途端に決別することになったのか?
 

 ・・・思うに、原因はエロールが邪神討伐の戦士として現生人類のミルザを選んだことにあるのではないだろうか。
 つまり、巨人族のほうが神々からの被害を被ってきた歴史は現生人類よりも長いし、能力も巨人族のほうが現生人類よりも高いし、世界の復興のためにエロールに協力してきたのに、なぜかエロールが誉ある邪神討伐の戦士に現生人類を任命したことで、「そんな大任は自分たちに任せてほしかった・・・」と、巨人族は裏切られたような気持ちになってしまったのであろう。

 ■邪神封印戦争後
 巨人族は巨人の里に籠り、その後も術法の研究を進めることで各系統8種目の術法も開発する。
 闇、邪の術法も巨人族によって確立されたが、巨人族にとっても習得は危険だったので禁術とされ、伝授されることはなかった。
 
 #このように、現在の術法名を定めたのは巨人族だと思われる。例えば、邪術「デスハンド」についても、邪神封印戦争時に巨人族はデスの魔法を実際に目撃していたので、「これは・・・邪神の手・・・デスハンドだ!」と命名できたわけである。
 #邪術を習得した巨人族の一人の成れの果てがナックラビーだと思われる。
 #術法を習得しているモンスターもたくさんいるが、それらは術法を伝授されて使用しているのではなく、各種の使用可能な特殊能力(魔法)を俯瞰的に観ると現在の術法に位置づけらているものに該当するということである。

 ■物語のおよそ100年前
 皇太子カールと3人の術法使い(フラーマ、ソフィア、ウェイ=クビン)がアイスソードを求めて巨人の里に訪れた際に、3人の術法使いが各系統の最高術法を習得する。(アイスソード論3)
2.邪神討伐後日談 -皇女は世界を2度救う-
 #本章は2024年4月にBBSに書き込んだ内容を再編したものである。

(0)本章の前書き
 縞庵さんの「クローディアの去就の話」は「邪神討伐後にクローディアがどうするのか?」についての話である。
 そして、縞庵さんはクローディアに幸せになってほしいという思いから「引き続き迷いの森の番人を続ける(魔女を引き継ぐ)」という立場でその後の未来を描いていらっしゃる。
 では、私はどんな未来を想い描くのか?

 再度述べますが、本稿は縞庵さんの考察を否定することを意図するものではありません。
 特に本章で考察するような物語の展開については、ロマ1をプレイした方にとっては当たり前のことだとは思いますが正解なんてものはありません。
 つまり、ロマ1はプレイヤーの介入によって歴史が変わりうる物語なのです。
 具体的には、
 ・未来が変わる:主人公がイベントにどう関わったのかによって、ロマ1の物語の事実(ガラハドの生死等いろいろ)は変わりうる。
 ・過去が変わる:基礎知識編にはシフの両親について「父親はかつて村一番の戦士だった男で、母も女戦士。」と明記してあるが、プレイヤーのゲーム開始時の選択によってシフの両親の職業は変わってしまう。つまり、設定上の過去が改変されてしまいうる。
 ・時間の前後関係も変わりうる:年齢推定論の補足で述べたように、河津氏の呟きを真に受けるならば、アルベルトとジャミルの年齢の逆転現象のようなことも起こりえる。

 このようにいろいろ変わりうるので、縞庵さんの考察ルートもあれば、私の考察ルートもありえるでしょうという話である。
 本章では無限に存在する可能性の一つを楽しんでいただければ幸いである。

(1)邪神討伐後に平安の世は訪れるのか?
 「邪神討伐後のマルディアスはどうなるのか?」
 縞庵さんの「クローディアの去就の話」を通して投げかけられたこの問いについて私なりに考えてみたのだけれど、この問いはなかなかに難しい問題を孕んでいる。
 つまり、プレイヤー視点としては邪神を討伐することで世界を邪神の脅威から救うことができ、エンディングでは主人公らの生存確認もできたのでハッピーエンド・・・という物語の終わり方をするのであるが、邪神がいなくなったら世界が平和になるのか?というと、その点はかなり怪しいのである。
 では、何が世界平和を妨げる懸念点となるのかについてまずは述べる。

(i)邪神討伐後のモンスター事情
 フレイムタイラントが「サルーインはモンスターの父だ。」(ゲーム内の台詞)と語るように、マルディアスに現在生息するモンスター種の多くはサルーイン由来のものが多い。
 
 では、そんなサルーイン由来のモンスターたちがサルーインの消滅とともにいなくなるのかと言ったら、決してそんなことはないだろう。
 なぜなら、モンスターたちのエネルギー源は「邪気」であるが(大事典)、邪気は世界を構成するパワーソースの一つなのでサルーインを倒したとしても決してそれが世界から無くなるわけではないからである。
 従って、サルーイン討伐によってサルーインから溢れ出ていた濃厚な邪気が断たれることで世界に満ちている邪気の濃度は徐々に薄れていき、それに伴ってモンスターたちの活動は鈍化・縮小することにはなるが、完全にいなくなるということはないであろう。
 故に、邪神討伐後のモンスターの存在は、現在の日本でいうところの熊等の野生生物出没ニュースくらいの頻度では身近であり続けると思われるが、それらが世界平和を妨げるほどの脅威になるということは当面無いであろう。
 
(ii)邪神討伐後の野心家たちの事情
 邪神討伐後の世界平和を妨げる懸念点・・・それは欲望・野望に満ちた人の心・・・即ち、野心を持った権力者たちの存在である。
 エンディングにおいてアフマドさんが「それ(邪神の脅威)も、もう過ぎたことだ。政治というのは常に次のことを考えていなければいけないんだ。」(ゲーム内の台詞)と語るように、邪神の脅威は解決しても野心家たちの欲望・野望は未だ健在であり、その欲望・野望からは戦火の匂いがプンプンと漂ってくるのである。
 

 そんな戦火の匂いに関わってくるのは以下の野心家の方々である。
 ・ナイトハルト:ローザリア皇太子。マルディアス全土統一の野望を抱く(基礎知識編)。
 ・コルネリオ&マチルダ:バファル帝国ローバーン公夫妻。バファル帝国の実権掌握を目論む(大全集)。
 ・アフマド:クジャラート首長。武力、知力によって世に悪名を轟かせている(大事典)。
         

 歴史を押さえておくと、ローバーンの男が「100年ほど前にイスマス城をローザリアに奪われて以来、この街が帝国防衛の最前線なのだ!おかげでローバーン公は帝国で最も力のある貴族だよ。」(ゲーム内の台詞)と話すように、イスマスは過去の戦争でローザリアがバファルから奪った領地であり、ローザリアにおけるバファルとの国境防衛の要所である。
 #AS899年、オービルの戦いで皇太子カールがバファル帝国に勝利して北バファル戦争終結。ローザリアはイスマスを獲得する。(基礎知識編)
 そんなイスマスがモンスターの襲撃によって陥落し、ただでさえ両国国境の緊張感が増していたのに、邪神討伐の際に(サルーインの自爆によって)イスマス周辺が崩壊してしまったため、ローザリアはバファルに対する国境防衛能力を完全に失ってしまったのである。
 
 果たして、狡猾な野心家であるコルネリオがこの機を放っておくだろうか?
 邪神討伐後にまず戦火が危惧されるのはイスマスにおけるローザリアとバファルの衝突である。

 また、この戦いを発端にクジャラートがローザリアに侵攻する可能性は極めて高いと思われる。
 と言うのは、そもそもゲーム内においても以下のようにローザリアとクジャラートの戦火の予兆は両国において懸念されていたからである。
 ・クリスタルシティの男(ローザリア側)「戦になるかもしれねえってよ!どことだって?クジャラートあたりとじゃねえのか。」
 ・北エスタミルの兵士(クジャラート側)「ローザリアが戦の準備をしているという噂があるのだ。」
 ローザリアが戦の準備をしているという情報は当然アフマドにも伝わっていたであろうから、アフマドも対ローザリア用に万全の準備を進めていたはずである。
 ローザリアとバファルが戦争に突入したならば、強欲なアフマドがその機に乗じてローザリアに侵攻する可能性は高いであろう。
 

 このように、邪神討伐後にはイスマスを発端として、ローザリア、バファル、クジャラートの3国による戦乱が危惧されるのである。

(2)イスマスをめぐる野心家たちの思惑
(i)イスマス陥落の際の両者の思惑
 邪神討伐後のマルディアスにおいて戦乱のキッカケとなる場所はイスマスであると思われるが、邪神討伐後の情勢について考える前に押さえておくべきことがある。
 それは「どうしてナイトハルトはイスマスが陥落しても、そこを復興しようとせず放っておいたのか?」と「どうしてコルネリオ&マリルダはイスマスが陥落した際にローザリアに攻め込まなかったのか?」ということである。
 まずはこの両者の思惑について推察する。

(a)コルネリオ&マチルダ
 イスマス陥落(戦闘回数32回)はジャンとクローディアの出会い(戦闘回数64回、クローディアのOPイベント)よりも前の出来事であるから、フェル6世の容態の悪化を受けての行方不明の皇女の捜索はイスマス陥落の頃には既に進められていただろう。
 故に、皇位継承目前となっていたコルネリオ&マチルダとしては捜索結果は気がかりなことであった。
 #この時点で既にコルネリオ&マチルダはストライフと結託していたと思われる(ミニオン論3)。

 そんな時にイスマス陥落の報がコルネリオ&マチルダに届く。
 バファルとしてはイスマスは先の戦争でローザリアに奪われた領地であるから、その奪回という名目ならば陥落したイスマスに進軍して占拠することには正当性がある。
 イスマスを奪回すればコルネリオは間違いなくバファルの歴史に名を残す大きな功績をあげることになるので、イスマス陥落はコルネリオにとっては絶好の機会であった。
 しかしながら、コルネリオはイスマスへの進軍については慎重で、様子を伺っていた。
 モンスター襲撃の際に一度イスマスに救援に来たものの、その後には姿を現さないローザリア軍の動向を怪訝に思い、何かしらの罠の可能性を疑ったのである。

 そんな時に行方不明だった皇女発見の報がコルネリオ&マチルダに届く。
 イスマスは未だモンスターが溢れた状態だったため、ローザリアがすぐさまイスマスを復興することはおそらくできない。
 それならば、最優先事項は皇女を排除してマチルダの皇位継承を確実にすること。
 このような理由により、コルネリオ&マチルダはイスマス侵攻よりもバファル帝国皇位獲得計画を優先することにしたのである。
 

(b)ナイトハルト
 ミニオン論5で述べたようにナイトハルトのアクアマリンを守るための行為(追跡者ヒポクリシーを撹乱するための行為)が結果としてヒポクリシー率いるモンスター軍団によるイスマス襲撃に繋がってしまった。
 ナイトハルトにとってイスマスの陥落は想定外であったが、大局を見てナイトハルトはこの状況を利用することにしたのである。
 イスマスはバファルに対するローザリアの防衛ラインであるが、そこが崩れれば当然バファル帝国からの侵攻の契機になりうる。
 それならば、そうなればいい。
 そうなれば、ローザリアがバファルに侵攻するための「バファルからの侵攻に対する正当防衛」という大義名分ができるのである。
 ローザリアとバファルの戦争が始まれば、手薄になったローザリアにクジャラートが侵攻してくるかもしれない。
 その点については、過去の恩義(ミルザブールの戦いでの救援)を理由に、騎士団領にクジャラートを牽制させればいい。
 #AS928年のミルザブールの戦いにおいて、騎士団とカール1世の連合軍が騎士団領に侵攻してきたクジャラート軍を撃退している。
 このような理由により、ナイトハルトは敢えて崩壊したイスマスを放置したのであろう。

 従って、ゲーム内の台詞では以下のようにローザリアとクジャラートの開戦が懸念されていたが、実際にはローザリアはバファル侵攻の準備をしていたのだと思われる。
 ・クリスタルシティの男「戦になるかもしれねえってよ!どことだって?クジャラートあたりとじゃねえのか。」
 ・北エスタミルの兵士「ローザリアが戦さの準備をしているという噂があるのだ。」
 

 以上のように、バファルの侵攻を待ったナイトハルトと、罠を警戒して侵攻しなかったコルネリオという構図により、物語中ではイスマスをめぐっての両国による戦争が勃発することはなかったのである。

(ii)邪神討伐後の両者の思惑
(a)コルネリオ&マチルダ
 邪神討伐後のコルネリオ&マチルダの動向には、クローディアが邪神討伐戦に参加していたかどうかが影響するだろう。

 まず、クローディアが邪神討伐戦に参加していたのならば、邪神討伐とともにクローディアも戦死したのだと関係者には思われていたため、コルネリオ&マチルダにとっては皇位継承を阻む最大の懸念点が解消されたことになる。
 即ち、マチルダは急がずとも時が経てば自ずと次期皇帝になれるわけである。
 それならば、コルネリオはイスマス奪回に本腰を入れることも選択肢の一つになるだろう。

 一方で、クローディアが邪神討伐戦に参加していなかったならば、依然としてクローディアは生存しているので(但し、生贄にされていない場合である)、コルネリオ&マチルダにとっての最優先事項は引き続き皇女を排除してマチルダの皇位継承を確実にすることとなる。

(b)ナイトハルト
 (b1)邪神討伐後の情報の周知状況
 ナイトハルトの思惑を推察する前に、まず邪神討伐後の状況について整理しておく。
 各主人公のエンディングの内容によると、主人公らが邪神を討伐してしばらくの日数が経った後には、邪神が討伐されたという情報は世界中に知れ渡っていたようである。
 おそらく、詩人ハオラーンが主人公らの英雄譚を歌い歩き、それが聴衆によってさらに口伝ることで広まったと思われる。
 例えば、グレイのエンディングにおいてハオラーンは以下のように歌っている。
 「・・・空は黒く覆われ、やがて闇になった。・・・だが、その闇は輝く太陽に振り払われた。・・・おお、雄々しき○人の勇者は、こうして恐るべきサルーインに打ち勝ったー!」
 

 このハオラーンによって伝えられた英雄譚では「邪神が勇者によって討伐された」という事実は伝えられていたが、おそらく「どこで」という場所の情報は伝えられなかったと思われる。
 このことは、オープニングで語られるお伽話において「邪神サルーインが戦士ミルザによって封印された」という事実は語られているが、邪神が「どこに」封印されたのかについては語られていないことからも察することができる。
 #ゲーム内で邪神の封印場所を知っていたのはエロール、デス、サラキーンという一部の超越者だけで、探知能力を持つ魔法使いフラーマでさえも把握していなかった。
 #私たちの世界で例を挙げれば、「桃太郎が鬼ヶ島で鬼退治をした」という事実は誰でも知っているが、鬼ヶ島がどこにあったのかは分からない(日本各地にモデルとなったと言われる場所がある)ようなものである。

 従って、「邪神が討伐された」という事実は世界中に広まっていたものの、その一方でイスマスが水没して大変貌を遂げているにもかかわらず、そこが邪神との決戦の地だったという事実を知っている者はほとんどいなかったと思われるのである。

 (b2)ナイトハルトの状況把握の変遷
 さて、本題の邪神討伐後のナイトハルトの思惑であるが、イスマスの水没に邪神討伐が関わっていることをナイトハルトならば察するであろう。
 そして、自分の野望の成就を第一に考えるナイトハルトならば、想定外だったイスマスの崩壊でさえも冷静に受け止めてバファルへの餌として利用したように、今回のイスマス水没についても冷静に受け止めた上でさらなる進展に利用することを考えるであろう。
 では、ナイトハルトならばイスマス水没という惨事をどのように自分の野望に利用するのか?
 モンスター襲撃によるイスマス陥落時からのナイトハルトの状況把握を時系列順に整理することで、最終的にサイトハルトがイスマスの水没をどうように利用するのかについて推察する。

 ■イスマス陥落後
 イスマス襲撃の首謀者は自分に接触してきた人ならざる者(ヒポクリシー)・・・モンスター軍団を率いていたことからおそらくサルーイン一派であるということを察する。
 #ヒポクリシーはルドルフとマリアによって討ち取られたが、その際に消滅してしまったので、その後に駆け付けたナイトハルトはヒポクリシーが既に討ち取られていることについては知らない。
 ナイトハルトは崩壊したイスマスをそのままにすることで、バファル側からの侵攻を誘った。(しかしながら、コルネリオは警戒して進軍することは無かった。)

 ■皇帝の奇病、解決後
 「アルベルトは今までの経緯を語った。」(ゲーム内の台詞)の際に、ナイトハルトはアルベルトから「ローバーン城内で呪いの文言を聞いた」という報告を受けていたので、奇病事件にローバーン公が関わっていたのでは?と疑念を持つ。
 

 ■モンスター軍団によるメルビル襲撃事件、解決後
 サルーイン教団施設の捜査が進められ、サルーイン教団と裏で繋がっていたことエロール教団司教補マックスが今回の襲撃事件の主犯の一人であり、併せて奇病事件の実行犯であったことも判明して、マックスは処刑された。
 その報を聞いたナイトハルトは怪訝に思った。
 

 「奇病事件の実行犯がマックスならばマックスとローバーン公が繋がっていたことになるが、ローバーン公が処罰されていないということはトカゲのしっぽ切りでマックスに全ての責任を押し付けたということか?」(←その通り。)
 「マックスがサルーイン教団と繋がっていたということは、ローバーン公もサルーイン一派と繋がっているということか?」(←その通り。)
 「もしや、自分が(ヒポクリシーに)勧誘されたようにローバーン公も勧誘されて、その誘いに乗ったのか?」(←その通り。)
 「それならば、イスマス襲撃にもローバーン公が関わっていたのか?」(←ローバーン公は関わっていない。)
 「それならば、マックスとローバーン公の繋がりの証拠を見つけられれば、イスマス襲撃の首謀者がローバーン公だったということにして、その襲撃及びさらなる侵攻への正当防衛という大義名分のもとでバファルへ侵攻することができるか?」
 「いや、したたかなローバーン公のことだからマックスとの繋がりの証拠など残しておかないだろう。」(←実際に、そのような証拠など無いのでローバーン公は捕まっていない。そもそも、マックスとローバーン公の直接的な接触は無い。)
 「証拠が出なければ大義の無い侵攻になってしまう。」

 このような逡巡により、ナイトハルトはローバーン公の暗躍を疑いながらもバファル侵攻に踏み切ることはできなかった。

 ■邪神討伐によるイスマス水没後
 大全集に記載されているように、ロマ1のラストダンジョンは別次元にあるのではなくイスマスの地下にある。
 故に、邪神の道連れ大爆発によって邪気に侵食されたラストダンジョンが崩落したことで、水没したイスマス一帯は流出した邪気に塗れていた。
 そんな変わり果てたイスマスを眺めながらナイトハルトは考えた。
 

 「この邪悪な気配・・・ここが邪神封印の地だったのか・・・」(←その通り。)
 「・・・この邪気・・・使えるな。ローバーン公とマックスとの繋がりの証拠は残っていないかもしれないが、アルベルトの証言を信じればローバーン城に邪悪な術法を使用した痕跡があるはず。」(←呪いの儀式等の証拠は既に隠滅されているかもしれないが、おそらく邪気の残穢は残っていると思われる。)
 「イスマスが邪神との決戦の地であったことは隠匿して、イスマスが水没したのはローバーン公が開発した何かしらの術法(術法兵器)による攻撃だったということにすれば、その攻撃に対する正当防衛(更なる被害を被る前に打って出る)を大義名分としてバファルに侵攻することができる!!」
 「ローバーンを制圧できれば第一段階としては上々。ブルエーレも制圧してバファル西部を占領できればなお良し。バファル帝国との全面戦争になれば話が早い。」

 このようにナイトハルトならば「イスマスの水没はローバーン公の攻撃によるもの」だと捏造してバファル侵攻の大義名分を作ることにイスマスの水没を利用する可能性があるのである。
 #私たちの世界の話で言えば、2003年のイラク戦争において、アメリカを含む連合軍がイラクの大量破壊兵器所持を疑って侵攻したようなものである。
 #ローバーン公が邪気を利用した兵器開発をしていたということについて:サルーイン教やデス教は反社会的なので「悪」とみなされるが、ウラン等が人体に悪影響があってもそれを研究すること自体は「悪」ではないように、邪気も人体に悪影響はあるがそれを研究すること自体は「悪」ではない。故に、ローバーン公が邪気研究をしていたとしても、それだけではサルーイン一派との繋がりの証拠にはならない。

 (b3)ナイトハルトが侵攻したい理由
 ナイトハルトの野望は「マルディアスの全土統一」であるが、それは「大魔王のような世界征服」を意味するのではない。
 自分が憧れる英雄カール1世のように誰からも支持される君主としてマルディアスを統一したいのである。
 故に、ただ侵略して領土を拡張すればいいのではなく、領土拡張の正当性(大義名分)を主張できることが必須であった。

 その一方で、ナイトハルトには焦りもあった。
 というのは、憧れのカール1世は18~19歳のときに軍隊を率いてオービルの戦いで勝利し、北バファル戦争を終結させて、ローザリア王国の王位を継承した。(ミニオン論5、アイスソード論3)
 一方で、自分はもうすぐ30歳(年齢推定論)・・・自分も早く武勲を上げて、カール1世のように王位を継承したい。
 その焦りから、やや強引ではあるものの「外敵からの保護」という名目で筋を通すことでタラール族やローザリア北部の集落を保護下に入れて領土拡張を進めていたのである。(ミニオン論5)
 そして、今回のイスマス水没はナイトハルトにとっては待ちに待ったバファル侵攻の好機・・・多少は強引であっても自分の野望のためにはバファル侵攻を決断するのであった。
 

(3)クローディアの決断
 (2)において、邪神討伐後のマルディアスはまさにローザリアとバファルの戦争が始まる直前であることを述べた。
 では、ラストダンジョンから生還したクローディアはそんな不穏な状況においてどんな選択をするのか?

(i)森の掟
 クローディアが主人公の場合、「オウルとの死別」において以下のような展開がある。
 ----------------------------------------------------------------------------------
 オウルの家エリアから出ようとすると、
 「シルベン!ブラウ!!・・・そう・・・私たち、お別れなのね・・・もう私はこの森にいてはいけないのね。」
 「シルベン!ブラウ!!・・・みんな・・・ありがとう・・・さようなら!」
 そして、マップ画面に場面転換。
 ----------------------------------------------------------------------------------
 

 この台詞・・・何となく受け入れてしまっているが、どうしてクローディアは迷いの森から出ていかなければならないのだろうか?
 イベントで変化した事柄から察すると、可能性としては「オウルが死亡したから」もしくは「クローディアが自身の出生の秘密を知ったから」のいずれかであろう。
 「オウルが死亡したから」だとすると、今まではオウルが面倒を見ていたから動物たちもクローディアの面倒を見ていただけで、オウルがいなくなったらクローディアの面倒を見る義理は無い・・・みたいで何か寂しい感じになってしまう。
 一方で、「クローディアが自身の出生の秘密を知ったから」ならば動物たちもクローディアと一緒にいたい気持ちはあるけれど、クローディアが本来いる場所はここではないという思いから、クローディアを送り出そうとしているということであろう。

 個人的には後者のように思う。後者であってほしい。
 なお、プログラムのミスでこの台詞の後でもシルベンは(場合によってはブラウも)離脱しないのであるが、「やっぱりクローディアのことが心配だから森の動物の代表者として引き続き見守ります!」ってことなのでしょう。

(ii)彼女が森に帰ったら
 ラストダンジョンから生還したクローディア・・・迷いの森には帰れないけれど・・・やっぱり森のみんなと一緒に暮らしたいという気持ちは否定できない。
 クローディアのことを思って送り出してくれた(であろう)森の動物たちであるが、クローディアが一緒に暮らしたいと望むのならばそれを拒むことは無いだろう。
 その場合、クローディアは国々の動向には関わらないことになる。

 ナイトハルト率いるローザリア軍はバファル西部に侵攻を開始して、ローザリアとバファルの戦争が勃発することになる。
 最前線でローザリア軍に応戦するローバーン公の軍隊であったが、その際、想定外の背後からの襲撃を受けてしまう。
 復讐に燃えるブッチャー率いる海賊団であった。
 #ミニオン論3で述べたように、メルビル襲撃においてブッチャーはコルネリオに利用され、最終的には命も狙われた。しかしながら、しぶといブッチャーは瀕死の重傷を負いながらも生きながらえていて、コルネリオへの復讐の機会を伺っていたのであった。
 ローザリアとブッチャー党に挟み撃ちのような形で攻められたローバーン公の軍隊は壊滅。
 その勢いのまま、ローザリア軍はさらなる侵攻を進める。
 そうなれば、バファル西部とメルビルの間に位置する迷いの森も戦場となってしまい、ただでは済むまい。
 

 ・・・このように、クローディアが迷いの森に帰った場合には、迷いの森が戦火に巻き込まれるというクローディアにとっては悲劇的な未来が待っているかもしれないのである。
 だからこそ、この悲劇的な未来を回避するためにクローディアは運命に抗わなければいけないのである。
 クローディアの戦いはまだ終わらない!

(4)皇女クローディアの和平外交
 未来の可能性はいろいろと分岐する。
 個人的にはクローディアには幸せになってほしい・・・だから、戦争を回避しなければならない。
 そこで、そういう未来に繋がるようにするために、本稿では主人公がクローディアで仲間メンバーにホークがいた場合を想定して推察を進める。

(i)皇女の帰還
 ラストダンジョンから生還したクローディア・・・迷いの森に帰りたい気持ちはもちろんあるけれど、森のみんなが送り出してくれたことを思い出して奮起する。
 邪神に真正面から立ち向かったように、自分の出自とも向かい合わなければならない!
 「・・・私、がんばってみるわ・・・」
 そう言って迷いの森を後にするクローディアを優しく見つめるシルベンと森の仲間たち。
 「今のあなたなら大丈夫ですよ。」
 そんな声がクローディアには聞こえた気がした。

 「ジャンに会いに来ました。クローディアと言います。」
 メルビルに帰ってきたクローディアはメルビル城の門番にジャンを呼んでもらう。
 ・・・
 クローディア「来ちゃった。(てへ!)」
 ジャン「ク、クローディアさ(ま)・・・さん・・・ご無事で!よく来てくれました。ささ、どうぞ。」
 
 こうして、ついにフェル6世はクローディアとの念願の「父娘として再会」を果たし、フェル6世は初めて愛娘に「お父様」と呼ばれて幸せに包まれたのであった。
 これにより小林画伯が描いた皇女クローディア(サガクロニクルに掲載)は実現したのである。
 コルネリオ&マチルダ「ぐぬぬ・・・」
  

(ii)皇女の名声、その1
 クローディアの帰還の件は(彼女の気持ちを考慮して)公的にはまだ秘密とされた。
 しかしながら、人の噂は止められるものではない。
 町の声1「行方不明だった皇女様が無事に戻られたらしいね。」
 町の声2「邪神サルーインを討伐したのは皇女様だったらしいよ。」
 町の声3「バファル帝国の未来は明るいぞ!」
 街の声4「皇女様、万歳!万歳!ばんざーい!!」
 コルネリオ&マチルダ「ぐぬぬぬ・・・」

(iii)皇女の名声、その2
 クローディアは冒険の道中でホークから彼が海賊稼業をしていた頃の話を聞いていた。
 大海賊キャプテンシルバーに憧れていること、シルバーの英雄譚(シルバー論を参照)、ブッチャーとの因縁、そして愛船レイディラック号を失ってしまったこと等である。
 それ故に、メルビルに戻ったクローディアは二つの決断をした。

 「お父様、お願いがあるの。(てへ!)」
 クローディアのした決断の一つは、ホークに船を1隻プレゼントすることだった。
 「お情けでの船なんていらねェ!」とクローディアからの申し出を突っぱねるホークに対して、彼女は真意を伝えた。
 ホークから聞いたシルバーの英雄譚・・・過去にバファル帝国が暴走したこと、そんな帝国にシルバーはたった一人で立ち向かったこと、そして帝国の暴走の抑止力となるためにシルバーは海賊になったこと(シルバー論を参照)・・・そのような話はクローディアの全く知らないものであった。
 一緒に冒険をすることを通して、クローディアはホークのことを信頼に足る人物だと認めていたので、ホークにはホークが憧れるシルバーのようになってほしかったのである。
 つまり、皇女クローディアは万が一バファル帝国が再び暴走した時の抑止力として、ホークを中心とした穏健派海賊達の海賊稼業を認めたということなのである。
 

 後にホークは船上で語っている。
 「海賊は自由だ。クローディアのことは気に入っているが、今までもこれからも帝国と手を組むつもりはねェ。・・・が、ブッチャー達の蛮行はキャプテンシルバーの意志に反する・・・放っておけねェ。ブッチャー達が帝国の船や民間の船を襲うようなら、俺たちが返り討ちにするまでよ!」

 そして、クローディアのしたもう一つの決断は、バファル帝国暴走時代の支配地(シルバー論を参照)に謝罪することであった。
 クローディアはお忍びでウェイプ、ゲッコ族の村、ジェルトンに赴き、皇女として帝国の過去の非道を謝罪した。
 邪神を討伐した英雄であり、かつ帝国の皇女でもあるクローディア直々の謝罪であったため、それぞれの首長はその謝罪を笑顔で受け入れた。
 皇女による謝罪はクローディアの独断での行動であったが、後日フェル6世も公的に謝罪及び賠償をすることで、帝国と過去の植民地との歴史的な和解が成されたのである。
 また、バファル帝国で語り継がれていた大悪人シルバーの逸話も「帝国の暴走を止めるための勇敢な行動であった」と公的に修正されたのであった。

 このような経緯で、サンゴ海に戻ったホークは皇女様のお墨付き海賊としてメルビル、ウェイプ、ゴドンゴ、ジェルトンの入港が認められ、それらを拠点として海賊稼業を行うようになったのであった。
 まさに「王下一武海」である!!
 

 町の声A「アロン島、リガウ島との関係が良好になってサンゴ海貿易が絶好調!」
 町の声B「皇女様が涙ながらに訴えてくださったおかげで、関係が回復したらしいよ!」
 町の声C「商船が海賊に襲われていると、正義の海賊が助けれくれるってよ!」
 町の声D「その海賊は皇女様に説得されて、心を入れ替えて正義の海賊になったらしいよ!」
 町の声F「今度の旅行はトカゲさんたちに会いに行く?、それとも恐竜ツアーに行っちゃう?」
 町の声F「皇女様がいればバファル帝国の未来は明るいぞ!!」
 街の声G「皇女様、万歳!万歳!ばんざーい!!」
 コルネリオ&マチルダ「ぐぬぬぬぬ・・・」

(iv)皇女の名声、その3
 「ローバーンからの攻撃によりイスマスが水没した。さらなる攻撃に対する正当防衛としてローザリアはローバーンに侵攻を開始する!」という宣戦布告がローザリア王国からバファル帝国に届いた。
 それに対し、クローディアはイスマス水没事件の当事者としてローザリア皇太子ナイトハルトとの停戦交渉に臨む。
 ローザリアから過去の恩義をもとに協力(クジャラートの抑止)を要請されていた騎士団領は、バファル帝国の皇女であり、名誉騎士であり、邪神討伐の英雄であるクローディアの証言を全面的に支持し、戦争回避に同調した。
 ナイトハルトとしては騎士団領の協力を得られないままでのバファル侵攻は無謀でしかないため、「皇女、名誉騎士、英雄」であるクローディアの「イスマス水没の原因は邪神サルーインの攻撃によるものであってバファル帝国に起因するものではない。」という証言を認めざるをえず、バファル侵攻を断念せざるをえなかった。
 こうしてローザリアとバファルの戦争は無事に回避されたのであった。
 

 町の声a「ローザリア軍が撤退したようだ!」
 町の声b「皇女様がローザリアの皇太子を説き伏せたらしいよ!」
 街の声c「騎士団領も皇女様に味方したそうだね!」
 町の声d「皇女様がいればバファル帝国の未来は明るいぞ!!!」
 街の声e「皇女様、万歳!万歳!ばんざーい!!」
 コルネリオ&マチルダ「ぐぬぬぬぬぬ・・・」

(v)クローディアだからこそ掴み取れた平和な未来
 以上のように、クローディアが皇女として活動することで世界は平和な方向に進んでいく。
 ローザリアとバファルの戦争があっさりと停戦に持ち込まれてしまって拍子抜けのように思う方もいるかもしれないが、ここで重要なことは「戦争を回避することができた人物はクローディアしかいなかった」ということである。
 つまり、クローディアだけが「邪神討伐に関わっていて、なおかつ為政者の立場になれる人物」だったということである。

 ジャミル、グレイ、ホーク、アイシャ、バーバラ、シフが主人公だった場合、仮に名誉騎士になっていたとしても、果たしてナイトハルトを止めることができただろうか?
 ナイトハルトに直接進言するにせよ、騎士団領に戦争を止めるように言ってもらう、もしくは協力しないように頼んだとしても、「邪神討伐と政治の話は別のこと」として取り合ってもらうことはできないだろう。
 また、アルベルトが主人公ならば主君であるナイトハルトに進言するなんてことは・・・お察しである。
 このようにクローディア以外の主人公では野望に燃えるナイトハルトを止めることなどできないのである。

 それに対して、「イスマス水没事件(邪神の討伐)」の当事者であるクローディアが、過去に名誉騎士の称号を得て騎士団領からの信頼を勝ち取っていて、なおかつバファル帝国の皇女という為政者の立場になりえた人物だったからこそ・・・ナイトハルトと同じ舞台に立つことができたからこそ、すんなりと戦争を終わらせることができたのである。
 即ち、クローディアだからこそ掴み取れた世界平和であり、これにより世界はクローディアによって2度救われたわけである。

(5)本章の後書き
 繰り返し述べますが、ロマ1の物語はプレイヤーの選択次第で変わりうる物語なので、本章で描いたクローディアの後日談は無数に分岐する可能性の一つでしかありません。
 そもそも戦争が起こらず平和な日々が続く未来があるかもしれないし、戦火に包まれた迷いの森で(邪神を打ち倒した力を使って)抗うクローディア・・・そんな彼女を人々は「魔女」と呼んだ・・・なんていう未来もあるかもしれません。
 あなただったらロマ1のどんなアフターストーリーを描きますか?

 さて、本章では邪神討伐後に皇女クローディアが開戦の危機を乗り越えるところまでの物語を描いた。
 当初はさらに先の未来・・・「国民に愛されるゆるふわ女帝」の誕生も想い描いていましたが、それはまだ先の話ということで、当面はクローディアとお父様には幸せな父娘の時間を過ごしていただきたいと思います。