
ミニオン論Ⅰ -総説-
(2021年08月19日発表)はじめに
1.ミニオンについての疑問
2.ミニオンの生態
3.各ミニオンの担当地域
4.北部方面担当
おわりに
はじめに:
ロマ1の物語において、サルーインの復活を目指して暗躍する者たちがいる。
それが、「破壊神サルーインの分身である使い魔。封印されたサルーインの肉体から何百年にも渡って染み出して実体化した姿」(大事典、キャラクターデータ集、ミニオン)であるサルーインのミニオンである。
本稿を含む数編のミニオン論では、そんなミニオンに関する謎の真相について推察することを通して、ロマ1の世界の語られぬ背景について言及する。
1.ミニオンについての疑問
大事典を読んでいると「なるほどー、そうだったのか!」となることが多い。
例えば、巻末の用語辞典にはミニオンについて次のように説明されている。
まずはストライフ・・・
「ストライフ<Strife> ミニオンの1人。名前は『闘争』を意味する。南部方面の侵略を担当しており、騎士団領でテオドールを操ったり、凍結湖でパーティーを待ち受けたりしている。火の術法が得意。」
なるほどー、ゲームをプレイしているときは考えもしなかったけど、ミニオンには侵略の担当地域があるのか!

次はヘイト・・・
「ヘイト<Hate> ミニオンの1人。名は『憎悪』を表す。東部方面の侵略担当で、コルネリオを陰で操り、バファル帝国を混乱に陥れようとする。メルビルのエロール神殿地下にいるときもある。」
なるほどー、(直接か間接的かは分からないけれど)コルネリオはヘイトと繋がりがあったのか!

最後はワイル・・・
「ワイル<Wile> 西部方面の侵略を担当しているミニオン。名前は『策略』の意味。アサシンギルドを牛耳っている他、ジュエルビーストを目覚めさせたのも彼の仕業である。邪の術法が得意。直接攻撃術法はあまり使ってこない。」
・・・直接攻撃術法?誤字かな???

さて、以上のように説明されていて、なるほど納得!・・・となりたいところですが、「あれ?」と引っかかることがある。
それは、ゲームにおいて凍結湖の城で戦ったミニオンはヘイトだったということである。
つまり、ストライフの項目の「凍結湖でパーティーを待ち受けたりしている」という記述と食い違うのである。

ロマ1の物語において、騎士団領の火のルビーは何度も狙われるが、その侵略作戦に関わるのはレッドドラゴン(L)やイフリートといった強力な火属性のモンスターなので、それを率いるのは火術が得意なストライフというのは妥当なように思う。
また、凍結湖が凍っているために湖底の城に最初は入れないが、物語の進展とともに氷が解けるというのも、火術が得意なストライフが何やかんやして溶かしたという可能性も納得しうる話である。
従って、大事典に書かれている南部方面(騎士団領とバルハラント)の担当がストライフというのは適任なように思えるのではあるが、ゲームにおいて実際に凍結湖の城で出会うのはヘイトである。
さて、これはどういうことなのか?
南部担当はあくまでストライフで、何かしらの理由によりストライフがヘイトに依頼して、凍結湖の城にはヘイトに赴いてもらったのだろうか?
改めて見直してみると、ゲーム内において、世界各地にいるミニオンで名前を名乗ったり、戦闘で名前が表示されるミニオンは凍結湖の城のヘイトしかいない。
アサシンギルドにいるミニオンも、バイゼルハイムの塔にいるミニオンも、メルビルのエロール神殿地下にいるミニオンも、名前は名乗らず、戦うこともないので、それが誰なのかは定かではない。
このように、ミニオンがどの地域を担当しているのかは、いまいち不明瞭なのである。
以上の疑問から、本稿では、マルディアスの各地域を担当しているミニオンが一体誰なのかについて推察する。
2.ミニオンの生態
各地域を担当しているミニオンが誰なのかを明らかにするために、とりあえず彼らを観察してみましょう。
まずは、メルビルのエロール神殿地下にいるミニオン。
彼は「その者たちを殺せ!サルーイン様の復活を阻もうとする奴だ。必ず仕留めろ!!」と言うと、後のことは神官マックスと巨人サイクロプスに任せて去っていきます。
注目すべきは、その去り方・・・スーっと上部に飛んで去っていくのです(画面外に消える)。

次は、アサシンギルドにいるミニオンを見てみましょう。
彼は「・・・アサシンギルドの名を借りてクジャラートを混乱させる計画もここまでか・・・。こうなったらジュエルビーストを目覚めさせ、徹底的に暴れさせるか・・・。お前たち!サルーイン様の復活を阻止しようとしているらしいが本当か!?ならば容赦はせんぞ。」と言うと、後のことは不死巨人フローズンボディに任せて去っていきます。
その去り方はエロール神殿地下にいるミニオンと同様に、スーっと上部に飛んで去っていくのです(画面外に消える)。

そして、バイゼルハイムの塔にいるミニオン。
彼は「火のデステニィストーンであるルビーを手に入れて、騎士団作戦の指揮官である私の面目も立ったというものだ。これも全て君がテオドールを見殺しにしてくれたおかげ・・・。クックックッ、全くすばらしい名誉騎士だ・・・。クックックッ。」というと、そのまま何もせず去っていきます。
その去り方は・・・前者の二人とは異なり、パッとその場で消えるのです。

最後に、凍結湖の城にいるミニオン。
彼とのやり取りにはいくつかパターンがある。
(i)赤魔法使いと同行して、撃退した場合
赤魔法使いと同行してオブシダンソードに触れようとすると、赤魔法使いが「それは私がいただこう。」と言い、力ずくで奪いに来てヘイトとの戦闘になる。
それを撃退すると「・・・このような・・・奴らがいるとは・・・。・・・サルーイン様に・・・報・・・告・・・せね・・・ば。」と呟いて、ヘイトはパッとその場で消える。

(ii)赤魔法使いと同行して、敗北して奪われた場合
力ずくで奪いに来たヘイトに敗北すると「ではオブシダンソードはいただいていくぞ。命だけは見逃してやろう。」と言って、パッとその場で消える。

(iii)赤魔法使いと同行しないで、素直に渡した場合
冒険者がオブシダンソードを手に入れて祭壇の間から出ようとすると、そこに「そのオブシダンソードを渡してもらおう。」と立ちふさがり、自分がサルーインのミニオンのヘイトであると名乗る。
そして、その要求に素直に従うと「なかなか素直だな。では、さらばだ・・・。」と言って、パッとその場で消える。

(iv)赤魔法使いと同行しないで、撃退した場合
ヘイトの要求を断ると、ヘイトとの戦闘になる。
それを撃退すると「・・・このような・・・奴らがいるとは・・・。・・・サルーイン様に・・・報・・・告・・・せね・・・ば。」と呟いて、ヘイトはパッとその場で消える。

(v)赤魔法使いと同行しないで、敗北して奪われた場合
要求を断って襲い掛かってきたヘイトに敗北すると、戦闘後には既にヘイトの姿が消えているが、ヘイトのいた場所から「ではオブシダンソードはいただいていくぞ。命だけは見逃してやろう。」という声が聞こえる。

このように、凍結湖の城のヘイトはいずれの場合もパッとその場で消えるのである。
以上のように、ミニオンの去り方を見てみると、「上部に飛んでいき画面外に消える」と「移動することなく、その場で消える」の2通りあるのである。
この違いは何か?
ここでシリーズ作品であるロマ2とロマ3のことを思い出してみましょう。
ロマ2において、世界各地で活動している七英雄は実は幻影であり、その本体はラストダンジョンに眠っている。
また、ロマ3においても、世界各地で活動している四魔貴族は実は幻影であり、その本体はアビス(ラストダンジョン)にいる。
そして、七英雄の本体が結集してロマ2のラスボスとなり、四魔貴族本体の生存がロマ3のラスボスの強化につながる。
このように、「ラスボスに関わる特殊な存在の本体はラストダンジョンにいて、幻影を世界各地で活動させている」という構造が、実は既にロマ1の時点でもあったのではないだろうか?
つまり、「上部に飛んでいき画面外に消える」のはミニオンの本体であり、「移動することなく、その場で消える」のはミニオンの幻影ということである。
「上部に飛んでいき画面外に消える」ミニオンは、エロール神殿地下のミニオンとアサシンギルドのミニオンであるが、いずれもその場では戦闘をしません。
それは、その姿が本体であるため、万が一にでも戦闘によって負傷するようなことがあってはならないという理由から、戦闘を避けたのでしょう。
一方で、凍結湖の城のヘイトは幻影であるため、オブシダンソードの入手を最優先として戦うことができたのでしょう。
加えて、ラストダンジョンにいる3人のミニオンは、冒険者に敗北すると「おおー。信じられぬー。こうなったらサルーイン様に吸収され、少しでもサルーイン様にエネルギーを与えるのだー。」と言うと、「上部に飛んでいき画面外に消える」のであるが、これはまさにラストダンジョンにいる3人のミニオンは本体であるということを裏付けていると言えるでしょう。

ということで、ミニオンについて第一の真相としては、ミニオンはロマ2の七英雄、ロマ3の四魔貴族と同等の存在であり、本体がラストダンジョンにいて、幻影を世界各地で活動させている(活動させていた)ということである。
エロール神殿地下とアサシンギルドのミニオンは本体であるが、これは既に何かしらの要因により幻影が消滅してしまっているからなのでしょう(その理由については、ミニオン論の続稿で言及する)。
ロマ2の七英雄を参照すると、幻影を復活させるには長い時間がかかるということなので、ミニオンについても類似した仕組みのために、エロール神殿地下とアサシンギルドのミニオンは幻影を使えず、本体で活動せざるをえなかったのでしょう。
このように考えると、赤魔法使い連れまわしをした場合に、赤魔法使いとヘイトが同時に存在するということについても説明がつく。
即ち、連れまわした赤魔法使いはヘイトの幻影であり、ラストダンジョンにいるヘイトは本体であるから、双方が同時に存在しても何も問題はないのである。

そして、赤魔法使いを連れまわした場合には、サルーイン撃破後に赤魔法使いの姿がロストアルベルトになってしまうのであるが、これはサルーインに吸収されてヘイトの本体を失ってしまったものの、ヘイトの幻影が不屈の闘志でサルーイン戦を戦い抜き、冒険者の勝利を見届けたところで力が尽きてグチャっとなってしまったということなのでしょう。

ついでに、ヘイトの幻影の仮の姿である「赤魔法使い」という存在についても触れておく。
赤魔法使いのステータスは以下の通りである。
HP | 父親 | 母親 | 性別 | 利き腕 | 技回数 | 防御 | 重量 | ![]() |
||||||||
500 | 魔術師 | 占い師 | 男 | 右 | 0 | 0 | 0 | |||||||||
腕+ | 体+ | 器+ | 早+ | 知+ | 精+ | 愛+ | 魅+ | 腕 | 体 | 器 | 早 | 知 | 精 | 愛 | 魅 | |
0 | 0 | 4 | 0 | 9 | 4 | 0 | 9 | 1 | 1 | 54 | 52 | 75 | 68 | 1 | 10 | |
火 | 水 | 土 | 風 | 冷 | 雷 | 光 | 闇 | 回 | 瞑 | 動 | 毒 | 幻 | 痺 | 石 | 死 | |
- | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | |
武器:なし | ||||||||||||||||
防具:なし | ||||||||||||||||
火:50/50/15 (ヘルファイア、ファイアウエポン、セルフバーニング、ファイアボール) 風:50/50/23 (アイスジャベリン、コールドウエポン、ウインドバリア、ライトニング) 闇:50/50/31 (影縛り、ダークネス、ホラー、ブラックファイア、ダークウォール) 邪:50/50/31 (ポイズンガス、インジャリー、アゴニィ、イーブルスピリット、ライフドレイン) 魔:50/50/27 (エナジーボルト、スロウ、スペルエンハンス、ウエポンブレス) |
一方で、ヘイトのステータスは以下の通りである。
HP | 防 | 腕 | 体 | 器 | 早 | 知 | 精 | 愛 | 魅/td> | 金 | 聖 | 竜 | 鳥 | ![]() |
||
7301/7373 | 84 | 84 | 84 | 84 | 84 | 84 | 84 | 0 | 84 | 4 | - | - | - | |||
火 | 水 | 土 | 風 | 冷 | 雷 | 光 | 闇 | 回 | 瞑 | 動 | 毒 | 幻 | 痺 | 石 | 死 | |
- | - | - | - | - | - | × | ○ | - | - | ○ | ○ | ○ | - | - | ○ | |
1:通常攻撃14 | ||||||||||||||||
闇:50/50/61(ブラックスフィア、ブラックファイア、ホラー、ダークネス) |
このようにヘイトと赤魔法使いは同一人物のはずが、能力は全くの別物なのである。
これはなぜか?
・・・おそらく、赤魔法使いとは、よく知られた術法で言えば「エレメンタル」のようなもの、つまりミニオン専用の身代わり術法で呼び出された存在なのでしょう。
凍結湖の城においては、正体を現すとともに身代わり術法を解除しているので、ステータスがヘイトのものに戻っているわけである。
3.各ミニオンの担当地域
ミニオンを観察することで、ミニオンの本体と幻影を区別することができました。
引き続き観察してみましょう。
次は、各ミニオンの言動から読み取れる彼らの性格の違いに焦点を当ててみます。
まずは凍結湖の城のヘイト。
2.において彼とのやりとりを場合分けで示しましたが、彼はオブシダンオードを手に入れるという要求が聞き入れられれば「なかなか素直だな。では、さらばだ・・・。」とこちらに手を出すことはなく去り、要求が聞き入れられずにやむを得ず戦闘して強奪しても「命だけは見逃してやろう。」ととどめを刺さずに去っていく。
このような行動から、彼の「必要なら戦うが、要件が達成できれば無用な戦いも無用な殺生もしない」という紳士的な性格が伺えます。

次に、エロール神殿地下のミニオン。
彼は「その者たちを殺せ!サルーイン様の復活を阻もうとする奴だ。必ず仕留めろ!!」と問答無用で冒険者の命を奪いに来ます。
きわめて凶暴、血気盛んな彼の性格が伺えます。

そして、アサシンギルドのミニオン。
彼は「お前たち!サルーイン様の復活を阻止しようとしているらしいが本当か!?ならば容赦はせんぞ。」と冒険者に訪ねてきます。
この問いかけに対して、「その通り!貴様こそ許さん!!」と答えれば、そのままフローズンボディとの戦闘に突入し、「そんな、滅相もない」と答えれば「そうか、では見逃して・・・・・・やるものか!!やれ!」と乗りツッコミ的な流れでフローズンボディとの戦闘に突入する。
それも乗りツッコミの場合には、バックアタック判定になってしまうのである。
ずるい。彼はずる賢い。まさに策士!な性格が伺えます。

このように3者で性格が全く異なっています。
この性格の違いから推察すれば、血気盛んなエロール神殿地下のミニオンは・・・まさに「闘争」のストライフ、そしてずる賢いアサシンギルドのミニオンは・・・まさに「策略」のワイルと言えるのではないでしょうか。
さらに言えば、アサシンギルドで戦うフローズンボディは「ミニオンの身体から発する邪気なしには生きられない」(大事典)ので、邪術が得意なワイルの傍にいるというのは筋が通っていると思います。
従って、凍結湖の城にいるのは紳士なヘイト、エロールの地下神殿にいるのは血気盛んなストライフ、アサシンギルドにいるのはずる賢いワイルと断定してもいいでしょう。
なお、「憎悪」のヘイトはとても紳士ですが、「罪を憎んで人を憎まず」的なそんな感じなのでしょうか?
では、最後にバイゼルハイムの塔のミニオン・・・彼は3人のうちの誰か?
彼は、フラーマの命を奪って火のルビーを手に入れている。
しかし、冒険者に対しては「火のデステニィストーンであるルビーを手に入れて、騎士団作戦の指揮官である私の面目も立ったというものだ。これも全て君がテオドールを見殺しにしてくれたおかげ・・・。クックックッ、全くすばらしい名誉騎士だ・・・。クックックッ。」と皮肉たっぷりの感謝の言葉を述べて、何もせずに去っていきます。
この言動はまさに、「必要なら戦うが、要件が達成できれば無用な戦いも無用な殺生もしない」というヘイトそのものではないでしょうか。
また、このミニオンが幻影であるということも、凍結湖の城のヘイトと一致します。

大事典に、騎士団領の担当がストライフと記述されていたことを考慮すると、エロール神殿地下にいるミニオンがストライフの本体で、バイゼルハイムの塔にいるミニオンがストライフの幻影であるという可能性も考えられるかもしれませんが、この場合、幻影を出せるのにもかかわらずリスクの高い本体でエロール神殿地下にいる必要は全くないし、何よりもエロール神殿地下のミニオンとバイゼルハイムの塔のミニオンでは性格が違い過ぎる。
従って、バイゼルハイムの塔にいるミニオンはストライフではなくヘイトと考えるのが妥当でしょう。
#不要な戦い、不要な殺生はしないヘイトさんですが、フラーマの命を奪って火のルビーを手に入れている。それは、命を賭して火のルビーを守ろうとしたフラーマに対する最大のリスペクトとしてその命を刈り取ることで、フラーマの思いに報いたのかもしれません。
以上から、各ミニオンの担当地域は、
・ストライフ・・・東部方面担当(バファル、アロン島、リガウ島)
・ヘイト・・・南部方面担当(騎士団領、バルハラント)
・ワイル・・・西部方面担当(クジャラート、フロンティア)
であり、大事典の巻末の用語辞典のストライフとヘイトの担当地域は誤っている(正しくは逆)ということになるのである。
4.北部方面担当
3.においてストライフが東部方面担当、ワイルが西部方面担当、ヘイトが南部方面担当と結論づけた。
そうすると、当然生じる疑問がある。
それは北部方面(ローザリア、ローザリア北部)の担当はどうなっているのか?ということである。
北部方面にはクリスタルレイクに水のアクアマリン、カクラム砂漠にトパーズがある。
ロマ1の物語の舞台からおよそ80年前のAS922年に発行された「世界のデステニィストーン」(大事典)には、そのことが明示してあり、かつその本が所蔵されているメルビル図書館のそばにはサルーインの秘密神殿があることから、アクアマリンとトパーズの所在地の手がかりをサルーイン一派が把握していなかったということはないはずである。
その事実と、ロマ1の物語においてミニオンがサルーインの復活を目論んで、デステニィストーンの収集・破壊をしようとしている状況を合わせて鑑みると、アクアマリンとトパーズのある北部方面担当のミニオンがいないというのはあまりにも不自然である。
・・・あまりに不自然であるが、実際にロマ1の物語の舞台には北部方面担当のミニオンが登場しない。
となると、ここからは推察を超えた妄想の領域に突入するが、4人目のミニオン・・・北部方面担当のミニオンがいたが、ロマ1の物語の時点では既に消滅してしまっているということも考えられるのではないだろうか。
おそらく、北部方面担当のミニオンの本体が消滅してしまうという何かしらの事件があったために、それを教訓として、ミニオンが外界に行く際には幻影で活動するという方策がとられるようになったのであろう。
#それでも、ロマ1の物語の時点で、ストライフとワイルの幻影は既に消滅してしまっているのだから、外界はミニオンにとって危険がいっぱいなのである。
では、仮に4人目のミニオンが存在したとすると、彼の名前(司るもの)は何であろうか?
・・・探してみたところ、一冊の書籍に出会うことができた。
下村湖人(1965).「次郎物語 第四部」. 下村湖人全集 第二巻. 池田書店.
#https://www.aozora.gr.jp/cards/001097/card43791.html#downloadで閲覧可(2021/08/18確認)
その中に、次の一文がある。
「ここまで考えて来た彼は、もう彼自身の幼年時代の、憎悪と、策略と、偽善と、闘争とに駆り立てられていた頃の生活を思い出した。」
・・・何と一文の中に、憎悪(ヘイト)、策略(ワイル)、闘争(ストライフ)があり、加えて第4のキーワードがあるのである。
そう、それは偽善である。
偽善・・・Hypocrisy・・・
この一文とミニオンの対応が偶然なのかどうかは定かでないが、仮に「偽善」を意味するミニオンが存在するならば、彼のことは「ヒポクリシー」と呼べばよいだろうか。
ミ二オンはサルーインから染み出して生まれた存在であり、それぞれが憎悪、策略、闘争の名を冠していることから、それらはサルーインの持つ特質が具現化した存在と考えられる。
そうすると、サルーインに偽善の一面があったということになるが、それはいまいちピンとこないかもしれない。
しかしながら、破壊女神サイヴァの小指の先に良心が残っていたために、そこから産まれたエロールが善神になってしまったという逸話(基礎知識編. マルディアスの神々の世界[Ⅰ])のように、表面的には表れていなくてもサルーインに偽善の側面があったということは十分に考えられることである。
また、サルーイン自身ではなく、サルーインの分身であるミニオン達が世界各地で行っている侵略活動に目を向けてみると、それらはいずれも、根底には人間に対する「憎悪」があり、綿密な「策略」のもとに進められ、最終的には「闘争」がもたらされるだろう。
そして、それだけではなく、
東部方面ではサンゴ海の海賊討伐を掲げて、その裏ではバファルの転覆を画策するコルネリオ、

西部方面ではタルミッタの復興を掲げて、その裏では自身のクジャラートでの復権を画策するハルーン、

南部方面では欺きの魔女討伐を掲げて、その裏では火のルビーの奪取を画策する偽テオドール、

・・・このように、それぞれの侵略作戦にはサルーイン一派と関わる者による「偽善」が確かに確認できるのである。
このような理由から、第4のミニオンが「偽善」を司るということは、あながち誤ってはいないように思われる。
そこで本稿では、妄想ではありますが、第4のミニオン・・・北部方面担当(ローザリア、ローザリア北部)のミニオンとして偽善のヒポクリシーの存在を仮定したいと思います。
そうすると、偽善のヒポクリシーの担当した地域にはローザリア皇太子ナイトハルトがいる。
偽善・・・ナイトハルト・・・なかなか意味深である。
また、偽善のヒポクリシーはロマ1の物語の時点では既に消滅しているが、仮に本体が消滅することなく生き残っていたとしたら、サルーインとの最終決戦前には、トライアングルフォーメーションではなく、4人のミニオンの本体によるスクウェアフォーメーションもしくはカルテットフォーメーションのような陣形で襲ってきたのかもしれません。

おわりに:
本稿では、ミニオンの生態と各ミニオンの担当地域について推察することを通して、(妄想ではあるが)最終的には第4のミニオンの存在についても言及した。
続稿のミニオン論Ⅱ~Vにおいて、4人のミ二オンそれぞれの侵略活動についてさらに詳細に言及したい。