虎の巣head

ウェイ=クビン論

(2020年8月31日発表)

 はじめに
 1.魔の島の塔
 2.魔の島
 3.不老不死研究の動機
 4.ウェイ=クビン、その青春の日々
 5.ウェイ=クビン、その求道の道
 6.ウェイ=クビン、その匠の技
  (1)防御壁
  (2)滑る床
  (3)感知式射出機
  (4)高速ゾンビ
  (5)呪われた靴
  (6)全自動吸引機
  (7)脱出用滑り台
  (8)不老不死(失敗版)
 7.ウェイ=クビン、その歩み
 8.叶わぬ願い
 あとがき
はじめに:
 ウェイ=クビン。
 ・・・不老不死を目指して魔の島の塔で魔のエメラルドを用いた生体実験をしている魔道士。
 私たちが彼について知っていることはこれくらいしかありせん。
 そこで今回は、断片的な情報をつなぎ合わせることによって、ウェイ=クビンの隠された真実に迫りたいと思います。
1.魔の島の塔
 ウェイ=クビンの真実に迫るための第一歩は、彼の研究の場である魔の島の塔にあります。
 次の画像は魔の島の塔の外観です。
 

 この塔の建築様式は、タルミッタのセケト宮殿によく似ています。
 

 大全集のクジャル族の項目には「タルミッタのセケト宮殿にみられる八角形の城塞建築と根強い水竜信仰にクジャル族固有の文化を垣間見ることができる。」という記述があります。
  ・魔の島の塔はセケト宮殿と同様の八角形の建物であり、材質も同じである。
  ・魔の島の塔の前には水竜の像が並べてある。
 これらのことから、魔の島の塔はクジャル族が建築したものであると推察できます。

 クジャル族の建物に住んでいるのだから、ウェイ=クビンはクジャル族なのか?と思うかもしれませんが、ウェイ=クビンは騎士団領出身の東方系人種なので西方系人種のクジャル族ではありません。(大事典)
 では、どうしてクジャル族の建築した塔にウェイ=クビンは住んでいるのでしょうか?
 その真相については、「魔の島の塔がいつ建造されたのか?」を考える必要があります。

 現在、魔の島の塔の場所は一般には不明で、世界地図にも記載されていません。
 それはウェイ=クビンが魔の島周辺に空中に浮いた鏡のような防御壁を張って、外からは見えなくしているからです。(大事典)
 仮にウェイ=クビンが住む前から魔の島の塔があったとしたら、貿易が盛んに行われてきたイナーシーで、魔の島の塔が目撃されなかったということはないはずです。
 従って、現在は見えなくなっていたとしても、当時の記録に基づいて魔の島の位置は地図に記載されているはずです。
 しかし、現状として魔の島の場所は一般には不明であることから、魔の島の塔の建造時からウェイ=クビンが関わっていて、建造時から見えなくしていたと思われます。

 では、それはいつ頃なのか?
 あれだけの超高層の建造物ですから、相当の労働力が必要だったはずです。
 従って、クジャラートの諸部族が争っていた頃には到底無理なので、クジャル諸族が統一されクジャラートが建国されたAS700年頃以降になります。
 #ロマ1の物語の舞台はAS1001年。

 ウェイ=クビンについて「数百年は生きているという噂もあるが定かではない。」(時織人)という記述があるので、これが本当ならAS700年以降のいつでも建造に関われた可能性はあります。
 しかし、数百年も生きているなら、ほぼほぼ不老不死を達成できるているようなものですし、上で示した通りウェイ=クビンは東方系の普通の人間ですから、そんなに人間離れして長生きできるわけがありません(と思いたい)。

 推察でしかありませんが、AS903年のクジャラートによるエスタミル王国攻略後に魔の島の塔は建造されたと考えます。
 AS903年、クジャラートの侵略により、エスタミル王国(現南北エスタミル)は陥落し、エスタミルはクジャラートの領地になりました。(大全集)
 その戦いについて、北エスタミルのパブの客は「エスタミルがクジャラートに占領されたとき、クジャラート兵が忽然と街の中に現れたというぜ。」(ゲーム内の台詞)と語り、「エスタミル王国奇襲はそれまでの常識を覆す神速で実行され、成功した。」(大全集)という記述もあります。
 歴史上、クジャラートの他国侵略はこのエスタミル王国攻略から始まります。
 おそらく、クジャラート元首にウェイ=クビンが接近し、侵略を焚き付けた。
 そして、お得意の魔術を使って、魔の島の塔に施すのと同様にクジャラート兵たちを不可視にした。
 結果、「忽然と街の中に現れた」、「常識を覆す神速の奇襲」となったのである。
 

 この成功により、ウェイ=クビンは当時のクジャラートの元首に力量を認められる。
 そこで、ウェイ=クビンはさらなる侵略の拠点にするという名目で、イナーシーの魔の島に塔を建造することを提案する。
 即ち、
  ・イナーシーに高い塔を建てれば、ローザリア、騎士団領、バファルの動向を一望でき、軍事面で有益である。
  ・クジャル族は水竜信仰であるがエスタミル王国はウコム信仰であった。
   そして、ウコム信仰ではイナーシーの嵐はウコムからの人間の驕りへの警告の意味があるとされている。
   そこで、イナーシーに水竜を祀ることで嵐を沈めて、元エスタミル王国民も水竜信仰に改宗させようとした。
 といった軍事的及び宗教的な目的での建造を提案したのである。

 それにより、魔の島の塔は建造されることになる。
 建造中からウェイ=クビンが魔の島周辺に防御壁を張り、知らずに近づく船があれば魔術エナジーストームで嵐を起こして船を沈めたため、他国に魔の島の建造が発覚することはなかった。
 そして、魔の島の塔は無事に完成する。
 それと同時に、ウェイ=クビンは本性を現し、魔の島の塔を乗っ取り、クジャラート人を排除(もしかしたら生体実験の材料として捕獲)する。
 ウェイ=クビンの裏切りを知ったクジャラートは魔の島の塔の奪回を試みるが、ウェイ=クビンは魔術で嵐を巻き起こすため、島に近づくこともできず失敗が続く。
 結局、奪回することはできず、このウェイ=クビンによる欺きの一件はクジャラート建国以来の最大の汚点となり、公にはできず、記録から抹消された。
 #よって、未だに魔の島の場所は地図には記載されていない。
 #その後、クジャラートはローザリアや騎士団領に進撃するものの、ウェイ=クビンの助力を失ったため、エスタミル王国侵略と同様の戦術を使うことができず、ことごとく敗退することになる。(基礎知識編、大全集)

 このように、ウェイ=クビンはクジャラートを騙すことで、魔の島に最高の研究環境を手に入れたのである。
2.魔の島
 ウェイ=クビンはクジャラートに取り入ることで魔の島に塔を建造させた。
 では、どうしてそこまでしてウェイ=クビンは魔の島で研究をしたかったのでしょうか?

 魔の島について探ってみると、大事典には次のような記述があります。
 「マルディアスの海中で最も邪気の多く存在するイナーシー」(マリンムースの項目)
 「邪気を大量に発している魔の島」(ツインテールの項目)
 このように魔の島からは邪気が大量に発生していて、それがイナーシーにも溶け出しているのです。

 では、この邪気はウェイ=クビンによって発生させられているのでしょうか?
 おそらくそうではありません。
 人間が邪術を習得することができないことからも、その根源である邪気を生身の人間であるウェイ=クビンが生み出すことができるわけがありません。
 つまり、もともと魔の島は邪気の発生スポットだったわけです。

 そして、邪気については「邪気は邪神によって造られた邪悪な生命の力をもとにしている。」(邪術の項目)と述べられています。
 実際、ロマ1の世界を徘徊するモンスター達は邪気に影響を受けたものばかりであり、邪神に造られ士四天王と呼称される存在達は邪神封印戦争(1080年ほど前)の頃から生き残っているほどの生命力を持っています。
 このことから、ウェイ=クビンは不老不死を求めるにあたり、邪気を利用することに着目し、マルディアスの中で邪気を大量に確保することのできる場所として魔の島を選んだのだと推察できます。

 また、魔の島が邪気の発生源であることから、魔の島に関わるさらなるいくつかの真相も見えてきます。
 魔の島のあるイナーシーでは数年に一度「イナーシーの嵐」と呼ばれる大嵐が発生します。(大事典)
 「人々はこれをウコムが人間の驕りに対して警告していると考えている。」(大事典)ようなのですが、実際はそうではないのかもしれません。
 つまり、大事典には「神話上、ウコムが最も力を注いで守護したと言われるイナーシー海域。」と記述されているのですが、この真相は、ウコムは魔の島が邪気の発生スポットだということを知っていて、邪気が溜まりすぎると何が起こるか分からず危険であることから、邪気が溜まる度にそれを散らして薄めるために嵐を起こしてきたのではないでしょうか。
 

 そして、「彼は独自の研究を続けるために、あらゆる神、特に海と風雨の神ウコムのパワーを遮断する防御壁を作り、島の周囲に張っている。」(大事典)と記述されているように、ウェイ=クビンをそのような真相を察していたので、ウコムによって邪気を散らされないようにするために、防御壁によって邪気を魔の島に留めたわけです。
 つまり、魔の島の防御壁には外界から見えなくするためだけでなく、邪気を留めるという目的もあったわけです。
 #アルベルトがイナーシーの嵐に遭遇したのは、ちょうど防御壁で抑え込んでいた邪気が溢れだしたタイミングであった。
 #邪気を散らすことが目的の嵐のため、嵐の風雨には邪気が混ざる。
  それにより難破した船の死者は邪気に曝されてゾンビ化するのである。
 

 ところで、マルディアスの人々の魔の島に対する認識はどのようなものだったのでしょうか?
 魔の島はAS903年頃の塔の建造以降はウェイ=クビンの防御壁によって不可視になっていますが、ウェイ=クビンが干渉していないそれ以前にも魔の島の場所は地図には記載されていません。
 このことから、おそらく魔の島の存在はマルディアスの人々にとっては噂話程度の認識だったのではないでしょうか。
 つまり、魔の島はもともと邪気の発生スポットであったため、その周辺は常に邪気によって霞んでいた。
 邪気が豊富なため、結果として魔の島の周辺はモンスターも多くなるため、魔の島周辺は危険な海域となる。
 かつて、幸運にも魔の海域と邪気の靄の中を突破できた人が魔の島に辿り着けただけでなく無事に生還して、「黒い靄の中に恐ろしい島があったんだ!!」と主張する。
 そして、その島は黒い靄の中のモンスターの溢れる島ということで「魔の島」と呼称されるようになる。
 #バミューダトライアングルが「魔の海域」と呼ばれるように、危険な場所が「魔の~」と呼ばれることは珍しいことではない。
 しかしながら、多くの船乗りや冒険者たちがその島を目指してみたものの、誰一人としてたどり着くことができなかった。
 その結果、魔の島の存在は、例えるならば「天空の城ラピュタ」のような実在の疑わしい噂話、つまり航海士のホラ話のようなものとしてマルディアスの人々に広まったのだと思われます。

 このように捉えると、オービルの女性の「港で海を見ているおじいさん…。昔、船が魔の島に流れついて唯一人生きて帰ってこれたそうよ。」という台詞も、今までとはちょっと違ったニュアンスで感じられるのではないでしょうか。
 
3.不老不死研究の動機
 ウェイ=クビンは邪気を利用することによって不老不死を実現することを画策し、魔の島で研究を行うことを決断した。
 では核心に迫って、そもそもなぜウェイ=クビンは不老不死を目指しているのでしょうか?

 大事典のウェイ=クビンの項目には次のように記述されています。
 「外界から遠く離れた塔から暗黒の空を見つめ、不老不死を得た自分の世界君臨を夢見ている。」
 そう、ウェイ=クビンが目指しているのは「世界君臨」であって「世界征服」ではありません。
 実際、ウェイ=クビンは、エンディングにおいて敗れたサルーインに対して「……しかし、サルーインも愚かよのー。こんな世界に執着しておるから身を滅ぼすのだ……。自らの世界が無くては生きてゆけぬとは、神というのも不自由なものだな。」と嘲笑していることからも、この世界をどうこうしようとすることには関心が無いようである。
 君臨とは「ある方面において絶対的な権力を持つこと」。
 ・・・おそらくウェイ=クビンは魔道士業界の第一人者としてその力を世界に示したかったのではないでしょうか。
 

 不老不死は私たちの世界においては古今東西問わず、古来から人間が切望し追い求めてきたものです。
 ロマ1の世界においても現生人類は古代人類(巨人族や地底人・タラール族)に比べて短命であり、限られた命であることから、不老不死は古くから追い求められてきたのだと思われます。
 基礎知識編や大事典に錬金術師ヴェルニーの存在が記載されているように、ロマ1の世界においても錬金術師が存在することからも、おそらくそういった研究は行われてきたはずです。
 #錬金術では卑金属を貴金属に変えることだけでなく、人間の変換(崇高な精神や不老不死の実現)も目指されていた。

 ロマ1世界の現生人類において誰も成しえていない不老不死を実現することによって、ロマ1世界の科学者(魔道士や錬金術師)界隈の第一人者になる!
 それがウェイ=クビンの目的なのです。

 では、どうしてウェイ=クビンはそのように考えるに至ったのでしょうか?
 その背景を探るために、再び魔の島の塔について見てみることにしましょう。

 魔の島の塔は非常に高層の建造物です。
 そして、高層の建造物というと「マルディアスで最も高い建築物だとされている」(基礎知識編、騎士団領の項目)バイゼルハイムの塔を思い出します。
 

 この2つの建造物について比較してみると、魔の島の塔の主は魔術マスターのウェイ=クビンであり、一方でバイゼルハイムの塔の主は火術マスターのフラーマであるというように、どちらの主も高位の魔道士という共通点があります。
 

 また、どちらの建造物にもメイジスタッフが安置された宝箱があり、メイジスタッフを入手できるのは巨人の里を除けばこの2つの塔だけであるという共通点もあります。
 

 そして、それぞれの塔の階層を見てみると、バイゼルハイムの塔の内部で侵入できるところは5階層であり、外観から察すると最大でも7階建ての建造物であるのに対して、魔の島の塔は内部だけでも9階層あります。
 つまり、建造時から防御壁で覆われていたために外界にその存在が知れ渡っていないだけで、おそらく魔の島の塔のほうがバイゼルハイムの塔よりも高い建造物です。
 #外観での高さを比較しようと思いましたが、魔の島の塔の上部はプログラム上でも作られていないようなので(建物の画像が途切れてしまう)断念しました。

 これらのことから、ウェイ=クビンはクジャラートに魔の島の塔を建造させるにあたり、バイゼルハイムの塔を意識して、意図的にバイゼルハイムの塔よりも高層の塔を建造させたのでは?という疑惑が生じます。
 もっと言えば、バイゼルハイムよりも高い建造物にしたことから、ウェイ=クビンには「フラーマに負けたくない!」という思いがあったのではないでしょうか。
 つまり、ウェイ=クビンは、騎士団領出身の自分を差し置いてローザリア北部出身のフラーマ(大事典)が騎士団領専属術法顧問(大事典)に就任したことに劣等感・敗北感のようなものを感じ、それを払拭するとともに、その現実を覆したかったために、フラーマの塔よりも高い塔を建造しようとしたのかもしれません。
 そのように考えると、不老不死の実現を目指したことともつながってきます。
 即ち、ウェイ=クビンの目指す「不老不死の実現による世界君臨」とは、フラーマも含めて誰もできていない不老不死(フラーマはそもそも試みてもいないと思うが)を実現することで、自分がフラーマよりも優れた魔道士であることを証明することなのだと推察されます。
4.ウェイ=クビン、その青春の日々
 

「騎士様ってかっこいー」
 これはミルザブールの少女の言葉ですが、騎士団領においてはやはり騎士は憧れの存在でしょう。
 騎士団領出身のウェイ=クビンも幼かった少年の頃には、騎士に憧れ、騎士になることを夢見ていたのかもしれません。
 しかし、身分的なものか、資質的なものか、どんな理由があったのかは分かりませんが、騎士になることを諦めざるをえなかったのかもしれません。
 もしかしたら、幼少時からひねくれていて、最初から騎士を目指さず、あえて逆の魔道士を目指していたのかもしれません。
 経緯はともあれ、若き日のウェイ=クビンはミルザブールで魔術を習得して、研鑽を続けていました。

 同時期には他にも2人の若い優秀な魔道士が存在した。
 一人は後に騎士団領専属術法顧問に就任することになるローザリア北部出身の火術使いフラーマであり、もう一人は後にバファル帝国直属エロール神殿神官長(大全集)に就任することになる光術使いソフィアである。
 ウェイ=クビンを含めたこの若き3人の魔道士はお互いに面識があったのではないでしょうか。
 さらに言えば、もしかしたら若き3人はパーティーを組んで巨人の里に訪れたことがあるのかもしれません。

 ウェイ=クビンが「イナーシー付近の船の難破事件に関係しているとの噂もある。」(基礎知識編)というのは、魔術の最高術「エナジーストーム」で嵐を起こしたことによるものだと考えられます。
 また、フラーマは火術の最高術「焼き尽くす」を、そしてソフィアは光術の最高術「スターソード」を伝授することができますが、現生人類の生活圏において各系統の最高術法を伝授することのできるのは彼女ら2人を含めてわずかだけです。
 そして、これらの各系統の最高術法は一般には巨人の里でしか習得すことができません。
 従って、この3人はかつて巨人の里に訪れたことがあるのだと推察されます。
 

 しかし、ただ巨人の里に辿り着ければいいというものでもありません。
 巨人の里で物品や術法を購入するためには、巨人の長サラキーンに認められなければならないのです。
 仮にウェイ=クビンが単独で巨人の里を訪れた場合・・・昔は好青年だったという可能性も無いわけではありませんが・・・現状を鑑みるとおそらくサラキーンを説得することはできなかったことでしょう。
 故に、フラーマ達とともに巨人の里を訪れて、一緒に最高術法を習得したのです。
 おそらく、予知能力で邪神の復活が迫っていることを察したフラーマ(大事典)が、邪神復活を阻むために助力を求めることでサラキーンに認められたのでしょう。
 #塔に安置されているメイジスタッフも、この訪問の際に購入したのである。
 

 その後、火術マスターのフラーマはデステニィストーン「火のエメラルド」を守護する人物にふさわしいとして騎士団領に迎えられる。
 また、光術マスターのソフィアはメルビルのエロール神殿の神官長へのエリートコースを進み始める。
 一方で、魔術は人間の心が持っている力を源とする純粋な知性の産物であるが故に司る神が存在しなかたっため(大事典、魔術の項目)、魔術マスターのウェイ=クビンが神殿等に迎え入れられることはなく、フラーマやソフィアのように社会的に認めらることもないままでいた。
 その事実が2人に対する劣等感・敗北感となって、特に自分の故郷である騎士団領で認められたフラーマに対する大きな劣等感・敗北感となって、ウェイ=クビンを大いに苦しめたのでしょう。
 その苦しみの先で行きついた結論が、「不老不死を実現することによって自分が世界最高の魔道士であることを世に知らしめる」という大いなる野望だったのです。
5.ウェイ=クビン、その求道の道
 ウェイ=クビンが不老不死の研究に取り組み始めて、最初にどのようなことから着手したのかは定かではありませんが、研究を進める中でサルーイン教に手がかりを求めることになります。
 サルーイン教とは、正式名を「サルーインの下僕粛清教団」といい、BS70年頃から現在に至るまでサルーインを崇拝し、反社会的活動を行ってきた一団である。(大事典、大全集)
 そして、サルーイン教には「サルーインを信仰すれば、永遠の命を授けられる」という言い伝えがあった。(大事典、サルーインのしもべの項目)
 #ロマ1の敵には「サルーインのしもべ」は存在しない。正しくは「サルーインのしんかん」(マックス)である。「しもべ」なのは「ヴァンパイアのしもべ」である。
 この言い伝えは、「破壊女神サイヴァの心臓は、サイヴァが死してなお鼓動を続けたと言われており」(大事典)、「その心臓から生まれたサルーインは不死の象徴である」とサルーインを崇拝する者たちに捉えられたことに基づくと思われる。
 ウェイ=クビンはこの噂を知り、サルーイン教に接触したのである。
 

 魔の島の塔の宝箱には「呪われた靴」が納められていますが、それについて大事典には「呪いをかけた者は不老不死を望んでサルーインを崇拝する神官であるといわれている。」と記載されています。
 呪われた靴は魔の島にあること、そして呪われた靴に呪いをかけたのは不老不死を望む者ということから、呪われた靴を制作したのはおそらくウェイ=クビンだと思われます。
 しかし、エンディングにおけるウェイ=クビンの「……しかし、サルーインも愚かよのー。こんな世界に執着しておるから身を滅ぼすのだ……。自らの世界が無くては生きてゆけぬとは、神というのも不自由なものだな。」という台詞からは、彼がサルーインを崇拝しているとは到底思えません。
 おそらくですが、ウェイ=クビンにはサルーインを崇拝するような気持ちは全く無く、不老不死の手がかりを得るためだけにサルーイン教に接触したのでしょう。
 その後、魔の島の塔での研究の過程で、密やかに呪われた靴を製造する。
 世界を放浪する吟遊詩人ハオラーンが神の目のようなもので世界の動向を見ている際に、ウェイ=クビンのことも目撃していて、「サルーイン教にいた不老不死を望む者が呪われた靴を作った」と解釈して、それを「呪いをかけた者は不老不死を望んでサルーインを崇拝する神官である」と他者に伝えた。
 このような誤解のために、上記のような記載になっているのでしょう。
 #ハオラーンは世界を見ることはできても、人の心の内までは見ることができないのだと思われる。
 
 サルーイン教の活動に参加するようになったウェイ=クビンでしたが、そこには彼の望むものはありませんでした。
 「しもべたちは自らの血や生気をサルーインに献上しているので骸骨のような姿をしている。」(大事典、サルーインのしもべの項目)
 「身も心もサルーインに捧げてしまったため、骨だけの生物となってしまった。」(大事典、サルーインの神官の項目)
 このように、サルーイン教の神官たちはモンスター化していました。
 実際、サルーインの神官たちのステータスは以下のようになっているのですが、人間が習得不可能な邪術と闇術を使用することができることからも、彼らが人間をやめてしまったことがうかがえます。

■サルーインの神官(生贄の儀式)
HP
90/90 9 9 9 9 9 9 9 0 9 4 - - -
- - - - - - - - - - - - - - - -
1:レイピア3(睡魔剣)
闇:10/10/1(影縛り)
邪:10/10/1(ポイズンガス)

■サルーインの神官(エロール神殿司教補マックス)
HP
766/773 30 30 30 30 30 30 30 0 30 4 - - -
- - - - - - - - - - - - - - - -
1:ガーラルフレイル11(スタンニングブロウ、ダブルヒット、三力破)
闇:50/50/63(ブラックスフィア、ブラックファイア、ホラー、ダークネス)
邪:50/50/63(ウイークネス、イーブルスピリット、アゴニィ、ポイズンガス)

 つまり、サルーイン教に言い伝えられている永遠の命とは、モンスター化することだったのです。
 しかし、ウェイ=クビンの求める不老不死はそんなものではありません。
 ウェイ=クビンの求める不老不死とは、人が人として、老いることのない体と知性、そして永遠の命を手に入れるという現生人類がまだ成しえていない言わば神の領域に近づく偉業なのです。
 モンスター化して永遠の命を得たとしても、それではフラーマやソフィアに対する劣等感・敗北感を払拭し、自分のほうが優れているということを証明することはできないのです。

 サルーイン教の不老不死はウェイ=クビンの望むものではありませんでしたが、サルーイン教の活動の中でウェイ=クビンは新たな着想を得ていました。
 サルーインの神官やモンスター達に活力を与えている根元・・・そう、邪気です。
 邪気をそのまま吸引したり、そのまま曝されたりした場合にはモンスター化してしまうが、邪気から生命の力の要素を上手く抽出できたら、不老不死につながるのではないだろうか?
 そのようなことをウェイ=クビンは考えていたのでしょう。
 加えて、邪気の豊富な場所についての情報も得ます。
 そう、ホラ話と思われていた魔の島の存在です。
 加えて、魔の島の塔の建造後に役立つことになるモンスター達を手なずける知識もこの時に得たのかもしれません。

 こうして、ウェイ=クビンは邪気を活用した不老不死研究に着手するためにサルーイン教を抜け出しました。
 そして、クジャラートを騙す大掛かりな作戦を決行し、見事に完遂させたのです。
 #サルーイン教に属したままだと、自分の身体を供物にしなければならないので、それは困る。
 #魔の島で研究をしているウェイ=クビンは右目を失っているように見えるが、もしかしたらサルーイン教潜入時にやむを得ずに犠牲にしたのかもしれない。
 
6.ウェイ=クビン、その匠の技
 魔の島の塔を手に入れるとともに、潤沢な邪気を手に入れたウェイ=クビンは、邪気を活用した不老不死の実現を目指して来る日も来る日も研究に明け暮れていた。
 しかし、望む結果を得ることは一向にできなかった。
 そんな失敗続きの日々の中、まさに「運命」の時が訪れた。
 ある嵐の晩に魔の島の近くを航行していて難破してしまった船の積み荷にデステニィストーン「魔のエメラルド」があったのである。(基礎知識編、時織人)
 ウェイ=クビンはエメラルドを手に入れた。
 フラーマへの対抗意識から手に入れた高層の塔に続いて、デステニィストーンも手に入れたのである。
 ウェイ=クビンはフラーマと並び立ったと感じたことでしょう。
 あとは不老不死を実現し、自分のほうが優れているということを世界に知らしめるだけです。

 魔術マスターが魔のエメラルドを手に入れたことで、不老不死研究の方向性は大きく軌道修正されることになった。
 即ち、「邪気の活用」から「エメラルドの魔力の利用」への転換である。

 それではここで、ウェイ=クビンさんの発明した驚愕の技術をいくつか紹介しましょう。

(1)防御壁
 1.及び2.で既に紹介した通り、魔の島の周辺にはウコムの力を遮断する空中に浮いた鏡のような防御壁が設置されています。(大事典)
 この防御壁は物質的なものではなく、魔術エナジーボルトやエナジーストームを使用することで生じる電気を上手い具合に何やかんやすることによって発生させることに成功しました。
 物質的なものではないので、一般には人間や動物等、何でも容易に通り抜けることができますが、一工夫することで外部からのウコムの力の侵入と内部からの邪気の流出を防ぐ仕様になっています。
 その結果、防御壁の内側に大量の邪気が厚い層を形成して上部に溜まり、外界からの光を遮ってしまっているため、日中も夜のように真っ暗です。
 また、この技術のコンパクト版をエスタミル王国攻略の際にクジャラート兵に施すことで光学迷彩的な不可視にして、クジャラートの勝利につなげました。
 

(2)滑る床
 一見すると周りと同じ床ですが、乗った瞬間に滑り、階段を落ちて下のゾンビゾーンへ真っ逆さま。
 床材を魔術エナジーボルトやエナジーストームで上手い具合に何やかんや加工することによって、超電導磁気浮上的なことを発生させることで実現しました。
 これは近道をしようとする侵入者に対する罠ですが、「不老不死に近道はない」という自分の研究のメタファーにもなっています。
 

(3)感知式射出機
 普段は射出機にセットされたまま動かないゾンビですが、侵入者がセンサーに感知されることでゾンビが飛び出してくるという防犯装置です。
 魔術エナジーボルトやエナジーストームを上手い具合になんやかんや使って、いい感じのセンサーを作ることで、この装置を完成させることができました。
 我が家にゾンビをセットするのは・・・ちょっと・・・という方のために、悪魔バージョンも準備してあります。
 セットされているゾンビや悪魔の設置については、サルーイン教在籍時に学んだモンスターのしつけ方の知識が生きています。
 また、このセンサー機能は魔の島周辺にもセットされていて、何も知らずに魔の島に近づいた船にセンサーが反応するとエナジーストームの嵐が起きるようになっているのです。
 

(4)高速ゾンビ
 ゾンビなんて鈍足だから怖くない。
 そんなあなたにお勧めなのが高速ゾンビです。
 ゾンビに魔術クイックを上手い具合に何やかんやすることによって高速移動を実現しました。
 上記(3)の感知式射出機とセットでぜひ!。
 

(5)呪われた靴
 呪われた靴の性能は以下の通りです。
名称
呪われた靴 10 20 × × × × × × × × × × × × × × × ×
 どこにでもある普通の靴を魔術アーマーブレスで上手い具合に何やかんや加工することで、靴とは思えない驚きの防御力を実現しました。
 不老不死=永遠ですから、アーマーブレスの力を靴に永続させる実験を行った結果、防御力の固定化に成功した産物です。
 しかしながら、全ての攻撃属性及び状態異常属性に対して弱くなってしまうという症状も併発してしまいました。
 一般には呪いがかけられていると言われていますが(基礎知識編、大全集、大事典)、実際には呪いではなく副作用的なものなのです。
 

(6)全自動吸引機
 行きは何も起きず、油断した侵入者を帰り道では管で吸引して、下の階に叩き落すドッキリ装置です。
 魔術は魔力を使うことで空間に不思議な現象を起こすので(基礎知識編)、魔術で上手い具合に何やかんややって完成させました。
 また、オービルには「付近の海は、船がよく難破することでも知られている。魔の島が船を引き寄せているというもっぱらの噂」(徹底攻略編)があるのですが、これは上記(3)の感知式エナジーストームによる難破もあれば、ウェイ=クビンが生体実験の材料を急遽欲しくなったときには、この吸引機の原理を航行中の船に用いることによる難破もあるのです。
 

(7)脱出用滑り台
 侵入者が最上階まで来てしまった時には、この滑り台で塔の下まで急降下。
 研究が上手くいかず、悶々とした気分になってしまった時のストレス発散にも役立ちます。
 魔術は特に使われていません。
 

(8)不老不死(失敗版)
 ウェイ=クビンさんのメインの研究テーマ、不老不死。
 かつて、ミルザは魔の力を用いて時間を操り、邪神との長い戦いを耐え抜いたといいます。(大事典)
 そこで、ウェイ=クビンは魔術スロウの効果を魔のエメラルドで増幅させることで、ついにその効果をストップの域にまで達することに成功しました。
 この新魔術ストップをかけることで、対象は老いることも、死ぬことも無くなりました。
 しかしながら、ストップをかけられた対象は文字通り完全にストップ(停止)してしまっていたのです。
 

 以上のように、ウェイ=クビンは長年の研究によって多くの成果を上げてきました。
 しかしながら、魔のエメラルドを用いても未だに彼の望む不老不死には到達できないのでした。
7.ウェイ=クビン、その歩み
 それでは、ウェイ=クビンの過去から現在までの歩みをまとめることにしましょう。

 本人からの証言から、不老不死の研究を100年以上行っていて、50年前に魔術ストップを開発しています。
 

 そして、メルビル図書館に所蔵に所蔵されているAS922年発行の「世界のデステニィストーン」(ハオラーン著)(大事典)には、魔のエメラルドの所在地が魔の島と記載されていることから、それ以前にウェイ=クビンはエメラルドを手に入れたことになります。
 

 また、最近になってフロンティア北方の黒海に沈んでいたデステニィストーン「闇のブラックダイア」がサルーインのしもべによって破壊されたとの情報があります。(基礎知識編、大事典)
 サルーインのしもべたちの活動が活発化し、邪神復活のために世界に散らばるデスティストーンを狙っているようです。
 ウェイ=クビンの「お前にもサルーインの手下にも渡しはせん!」(ゲーム内の台詞)という言葉から、魔の島もサルーインのしもべに襲撃されたことがうかがえます。
 

 これらの情報と、1.~6.の情報を合わせると、ウェイ=クビンの歩みは次のようにまとめられます。
事柄 推定年齢
AS880頃 ・騎士団領にて誕生。 0歳
AS890頃 ・魔術を習得し、メキメキと力をつける。 10歳くらい
AS895頃 ・フラーマ、ソフィアとともに巨人の里を目指し、無事に到達する。
・巨人の里にて魔術の最高術エナジーストームを習得する。
10代後半
・魔術修行に明け暮れる日々。
・フラーマ、ソフィアが社会的地位を得たことを知り、人生の歯車が狂い始める。
・劣等感と敗北感に苛まれる日々の末、不老不死の開発に希望を見いだす。
AS900頃 ・サルーイン教に所属して不老不死について学ぶ。
・サルーイン教に見切りをつけて、抜け出す。
20歳くらい
AS903 ・クジャラートに接触し、エスタミル王国攻略に手を貸す。 20代半ば
・魔の島周辺に防御壁を張る。
・クジャラートを騙して、魔の島に塔を建造させる。
・クジャラートから魔の島の塔を略奪する。
・邪気を活用した不老不死の研究を本格的に開始する。
・難破した船から魔のエメラルドを入手する。
・エメラルドの魔力の利用した不老不死研究に方向転換する。
AS922 ・「世界のデステニィストーン」にエメラルドの所在が魔の島であることが記載される。 40代半ば
AS950頃 ・念願の不老不死(失敗版)の魔術ストップを開発する。
・魔術ストップを拉致した船の連中に施す。(1人に逃げられる。)
70歳くらい
・経過観察をしながら、さらなる不老不死の研究を続ける。
最近 ・活動が活発化したサルーインの手下がエメラルドを奪いに来るも脱出用滑り台を駆使して逃げ切る。
AS1001 ・ロマ1の物語が始まる。 120歳くらい

 推定年齢については、ウェイ=クビンがとても才能に恵まれていることと、普通の東方系人種ということを考慮しての推測です。
 魔の島の塔から脱出してオービルで海を眺めている老人から察すると、ロマ1世界の現生人類の寿命は私たちとそう違わないと考えられます。
 従って、ウェイ=クビンやフラーマ、ソフィアといった術法マスターたちは、少なく見積もったとしても、私たちの感覚からすると既に十分長生きされていることになります。
8.叶わぬ願い
 ウェイ=クビンの悲願である不老不死(完成形)は未だ実現していません。
 しかしながら、彼のこれまでの行動や、成しえてきた偉業を見れば、彼が稀代の天才であることは疑いの余地がありません。
 彼が不遇であった原因は、フラーマやソフィアが同時代に存在したからではなく、彼の才能を受け入れられるだけの文明レベルまでにロマ1の世界が発達していなかったことにあるのではないでしょうか。
 おそらく、時代が違えば、ロマ2のヒラガやロマ3の教授のように・・・いやそれ以上に才能をいかんなく発揮して、冒険者の協力者になってくれていたかもしれません。

 ウェイ=クビンはフラーマやソフィアへの敗北感・劣等感から歪んだ道を歩み始めてしまいましたが、おそらく、当のフラーマやソフィアはウェイ=クビンが劣っているなんてことは全く思っておらず、むしろその才能・実力を認めていたことでしょう。
 #だからこそ、一緒に巨人の里に行くという青春の日々を過ごしている。

 本論では4.以降でウェイ=クビンはフラーマとソフィアに面識があったという前提で話を進めてきました。
 フラーマとの面識については、魔の島の塔に見られる対抗意識から察することができます。
 では、ソフィアとの面識についてはどうか?
 実は、ロマ1の中でウェイ=クビンについて言及している唯一の人物がソフィアなのです。
 デステニィストーン「気のムーンストーン」で皇帝の奇病を治してみせた冒険者にソフィアはつぶやきました。
 「…イナーシーに魔の島と呼ばれる島があり、そこに住む邪悪な魔道士がデステニィストーンの一つを持っているという噂です。」(ゲーム内の台詞)
 

 もちろん、この噂は世界を放浪する吟遊詩人ハオラーンがエロール神殿に立ち寄ったときに聞いたものでしょう。
 ソフィア「あなたの著書にエメラルドは魔の島にあると書いてありますが、魔の島は実在するのですか?」
 ハオラーン「ありますとも。イナーシーの北部ですね。そこに高い塔があって、そこに住んでいるのはサルーイン教に出入りしていた魔道士。そいつが邪気やエメラルドを使って生体実験をしているんですよ。」
 ・・・といった具合に。

 ソフィアも優秀な人物です。
 そういった情報から、その魔道士がウェイ=クビンであることを察したのでしょう。
 そして、サルーイン教に属したこと、邪気を扱っていること、生体実験を行っていること、といった歪んだ道を選んでしまったことに対して「邪悪な」という言葉をつけて冒険者たちに情報を伝えました。
 ムーンストーンを手に入れられたこの冒険者たちならば、歪んでしまったウェイ=クビンを真っ当な道に戻すことができるかもしれないという一縷の願いを込めて。
 ・・・しかし、そんなソフィアの願いも空しく、ウェイ=クビンは今日も華麗に脱出用滑り台を滑降するのでした。
 

 ウェイ=クビンと同じ東方系人種(大事典)である「森の魔女」と呼ばれたオウルも物語中で天寿を全うしました。
 ウェイ=クビンのタイムリミットも刻々と迫っています。
 そんな現実を感じながら、ウェイ=クビンは今日も魔の島の塔で研究に専念するのでした。
 ・・・不老不死を得た自分の世界君臨を夢見ながら・・・。
あとがき:
 本論は、断片的な情報をつなぎ合わせた推察にすぎません。
 しかしながら、そんな推察から皆さんのウェイ=クビンに対する認識が変わったのならば、それがウェイ=クビンの隠された真実です。